2002 Fiscal Year Annual Research Report
液晶マルチプローブ型マイクロアレイスキャナーによるDNAチップの高速解析
Project/Area Number |
14750171
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
林 照剛 茨城大学, 工学部, 助手 (00334011)
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Keywords | DNA構造解析 / 液晶素子 / SNP / DNAチップ / 蛍光検出 / マルチプローブ / レーザー / 共焦点顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究の目的は共焦点顕微鏡による多焦点同時蛍光検出を実現し,DNA構造解析の高効率化を図ることである.そのため克服するべき技術課題は,多点同時検出時のクロストークの低減および多数焦点に分割された低強度の励起光に対する微弱蛍光検出技術の確立である. 本年度は,上記課題を克服するため基本光学系を設計し,シミュレーションによる検討および実験による確認を行った.下記研究項目のうち1〜3は,光学系の設計および設計した光学系の妥当性の検証に関するものであり,4〜6は,その設計に基づいて構築した光学系の光応答,光学特性の実験的な確認に関するものである. 1.マルチプローブ共焦点顕微鏡の基本光学系の構築 2.レイトレーシングによる多焦点同時検出光学系の検証 3.励起光分離,蛍光検出光学系の設計 4.光学系の構築 5.マルチプローブ蛍光検出特性の確認 以上の研究で得られた研究成果を以下に示す. (1)波長488nm,514.5nm,543nm等のレーザ光に対し,マルチスポット集光が可能であることをレイトレーシングにより確認し,基本光学系設計の妥当性を示した. (2)マイクロレンズアレイ等の各要素の光学特性を検証し,各波長の光についてほぼ理論値どおりの集光特性,光透過特性が得られることを実験的に確認した. (3)励起光の波長を488nmとし,この励起光に対し蛍光感度を有するサンプルの蛍光検出を行い,波長543nmの蛍光を分離,観察することに成功した. (4)マルチプローブ共焦点検出光学系では,隣接する検出スポット間のクロストークを防ぐことにより,高い検出精度を実現できる. そこでクロストークを防ぐため,励起光と蛍光の色収差をアポクロマートレンズによって補正し,さらにマイクロレンズアレイを用いて,各検出スポットを10μmに集光した結果,5×5のマトリクス状に配列した各スポットを独立して検出できることを確認した.
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