2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14750177
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
柴 建次 東京理科大学, 理工学部・電気電子情報工学科, 助手 (10343112)
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Keywords | 磨耗診断 / 切削工具 / 圧電ユニモルフ振動子 / 非接触電力伝送 / 鉄損 / 微弱電波 / 閉磁路 / 磁性体 |
Research Abstract |
小型精密旋盤の切削工具の摩耗を原因とする不良品の生産が問題になっている.ここでは,切削工具の摩耗を自動で検出し警告する小型の摩耗診断装置の設計・試作・評価を行った.摩耗診断装置は,正確に診断ができ,切削工具に貼り付けることができる程度に小型で,消費電力も小さいことが望まれている.ここではこれを実現するために,センサには小型で大きな出力が得られる圧電ユニモルフ振動子を用い,電子回路にはアナログスイッチによる省電力機能を装備し,故障の警告には消費電力が非常に小さい微弱電波通信を介して行うことにした.その結果,寸法は30mm×30mm,消費電流は61〜81μAの摩耗診断装置の開発に成功した.実際に,機械工作室内に設置した小型旋盤に摩耗診断装置を取り付け摩耗検出試験を行ったところ,問題なく検出が可能で,20日間以上連続動作が可能であることを確認した. 次に,この装置に非接触で充電する装置の開発を行った.本年は,1次コイルを巻いたコの字型磁性体と二次コイルを巻いた切削工具の一部分が閉磁路となるようにした閉磁路型非接触エネルギー伝送装置を設計・開発した.切削工具は高い導電率を持つので,トランスとして利用すると鉄損が大きくなる.鉄損を如何に小さくするかが重要である.伝送電力一定の条件で,1次及び2次コイル巻き数,伝送周波数,出力電圧の値を変えた場合について,伝送効率を解析し最適設計を行ったところ,出力電圧1V,伝送周波数150kHz,一次コイル巻き数60回,二次コイル巻き数180回において,最も高い伝送効率が得られることが明らかとなった.実物モデルを試作し伝送実験を行ったところ,上記設計で最も高い伝送効率(約30%)が得られることが明らかになった.さらに,試作した倍電圧型昇圧回路と組み合わせることで,小型コイン型リチウムイオン二次電池に問題なく充電できることを確認した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 柴 建次: "小型精密旋盤用ミニチュア摩耗検出装置の開発研究"日本時計学会会誌 マイクロメカトロニクス. 第46巻第2号. 8 (2002)
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[Publications] Kenji SHIBA: "Development of a miniature abrasion-detecting device for a small precision lathe"Sensors and Actuators A. (条件付採録).