2003 Fiscal Year Annual Research Report
無騒音かつ弾力性を有する永久磁石反発浮上形コンベアの開発
Project/Area Number |
14750203
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
大路 貴久 富山大学, 工学部, 講師 (30334709)
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Keywords | 磁気浮上 / 永久磁石 / 反発力 / コンベア / リニア / 剛性 / 固有振動数 |
Research Abstract |
本申請課題の基礎となる反発浮上形磁気軸受は,回転を除く5軸のうち4軸を永久磁石反発による受動支持し,1軸を電磁石で能動制御する完全非接触運転を実現する装置である。1軸は本来不安定であるが,機械的に位置制限するだけでも容易に全座標方向への安定が得られ,この原理を基に横軸式の反発浮上ユニットを製作した。このユニットは半径方向の柔らかさと回転の容易さを持ち,複数配置することでコンベアのローラの役割を十分に果たすと思われ,永久磁石反発浮上形コンベアの着想に至った。前年度は,この反発浮上ユニットに対する基礎特性として,1ユニットあたりの耐荷重や受動剛性の測定,固有振動数の導出,最適浮上位置の決定などを行い,この結果をもとに回転軸の鉛直方向への加振試験等を行った。 本年度は,ユニットが持つ回転軸の固有振動数付近での加振試験として,1)チルト角を与えた場合,2)2方向からの加振(電磁石と磁気分路用電磁石),3)二相交流励磁による2方向からの加振(2つの磁気分路用磁石),の3通りについて実験を行い,それぞれの場合において搬送方向への力を発生させた。さらに,ユニットを複数個配置して実際にコンベアを構成し,軸振動搬送試験を行った。全てのユニットには,空間的に位相差を持つ2組の電磁石が設置されており,ファンクションシンセサイザの二相交流信号を増幅してそれぞれの電磁石に印加している。このとき,全ての回転軸は楕円軌道を描きながら振動(公転)し,かつ,搬送方向へ回転(自転)する。実機では,最高0.1m/sでの物品搬送が可能であることを確認した。また,印加する二相交流の位相切替により搬送方向の正逆転も確認した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 大路貴久: "反発浮上ユニット列による永久磁石反発浮上形コンベアの構成と搬送試験"第15回「電磁力関連のダイナミックス」シンポジウム講演論文集. 261-264 (2003)
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[Publications] 大路貴久: "反発浮上形コンベアにおける搬送方法の提案と搬送力試験"電気学会リニアドライブ研究会資料. LD-03-102. 57-61 (2003)
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[Publications] 大路貴久: "Trial Production of the Permanent Magnet Repulsive Type Conveyor System on the Basis of a Passive Magnetic Levitation Unit"Proceedings of the International Conference on Electrical Engineering. ICEE-153 (2003)
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[Publications] 大路貴久: "A new conveyor system based on a passive magnetic levitation unit having repulsive type magnetic bearings"Journal of Magnetism and Magnetic Materials. (印刷中). (2004)
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[Publications] 大路貴久: "Conveyance test by oscillation and rotation to a permanent magnet repulsive type conveyor"Journal of IEEE Transactions on Magnetics. (印刷中). (2004)