2003 Fiscal Year Annual Research Report
科学技術計算における三次元有限要素法を用いた統一システムの構築
Project/Area Number |
14750204
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山口 忠 岐阜大学, 工学部, 助教授 (30291777)
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Keywords | 三次元有限要素法 / 科学技術計算 / 統一解析システム / 電磁界解析 / 熱伝導解析 / 感温磁性サーモスイッチ |
Research Abstract |
本年度の研究業績は以下の通りである。 ・三次元有限要素法を用いた統一解析システムの最適化 従来,電磁界解析と熱伝導解析はそれぞれ独立して解析が行われてきたが,前年度の研究によって開発された三次元有限要素法による電磁界解析システムおよび熱伝導解析システムをベースとした過渡解析用統一解析システムにより,電磁界解析と熱伝導解析を連成することができた。しかしながら,システム構成は,電磁界解析と熱伝導解析のソフトウェアは異なるため,個々の解析に必要なデータをそれぞれ用意し,バッチファイル(動作手順を記したスクリプト)レベルでの連結でしかなかった。 本年度はこれらのシステムを最適化し,申請者が専門とする電磁界解析のシステムから熱伝導解析システムをコール(呼び出す)ように改良し,電磁界解析の出力結果が熱伝導解析の入力データとなるとともに熱伝導解析の出力結果が電磁界解析の入力データとなるようにデータのやりとりを双方向にして,本システムを用いることにより解析可能な対象の拡大を実現した。これにより,達成解析のためのバッチファイル作成というユーザの手間を省くことができ,過渡解析において電磁界と熱伝導の詳細な状況が把握できるようになった。さらに,入力データ作成に際し,CADデータを読み込み,加工することにより容易に解析データを作成するソフトウェアを開発し,その有用性を示した。 本システムを用いた解析結果を以下に記す。 (1)前年度に引き続き,温度によって透磁率が変化するサーマロイ素子を利用した感温磁性サーモスイッチに対してその適用範囲を拡大し,導体に流れる電流の値を熱源のパラメータとし電流値を変化させた場合の熱伝導特性と可動鉄心に働く吸引力および過渡動作特性を明らかにした。 (2)CADと連携する解析データ作成ツールを開発し,その有用性を明らかにした。
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[Publications] 河瀬順洋, 山口忠, 社本功一, 平田勝弘, 太田智浩: "三次元有限要素法を用いたサーモスイッチの過渡特性解析"平成16年電気学会全国大会講演論文集. (発表予定). (2004)
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[Publications] T.Yamaguchi, Y.Kawase, T.Nishimura, H.Naito: "2-D Finite Element Analysis Data Creating System with CAD Data"Proceedings of JAPMED'03. 151-152 (2003)
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[Publications] 河瀬順洋, 山口忠, 西村隆, 内藤裕彰: "二次元CADデータを用いた有限要素解析モデルの作成"電気学会研究会資料(静止器・回転機合同研究会). 2003年9月5日. 61-64 (2003)