2003 Fiscal Year Annual Research Report
Xeエキシマランプの高性能化を目的としたバリア放電のモデリングに関する研究
Project/Area Number |
14750208
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
小田 昭紀 名古屋工業大学, 工学研究科, 助手 (70335090)
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Keywords | キセノン / バリア放電 / エキシマランプ / モデリング / シミュレーション |
Research Abstract |
本年度は,本ランプの性能改善の一方策としてXeガスに添加するガス種に着目し,少量のO2(酸素)ならびにH2(水素)/Xe混合ガスバリア放電の解析を実際のランプ条件下で行なった。得られたそれぞれの混合ガス中放電の計算結果をまとめると以下のようになる。Xe/O2混合ガスにおいては,その電圧・電流波形から均一なグロー放電とフィラメント状放電との間の中間的な放電であった。そして,陰極向けストリーマの発生,進展ならびに消滅機構から説明される,半サイクルごとの急峻な電流パルスと緩やかな電流パルスが,純Xeガス時の電圧・電流波形に現れ,O2ガスを添加することによって緩やかなパルスが次第に消失し,急峻な電流パルスのみと放電形態が大きく変化した。本結果は,本ランプ性能を改善する上で重要な放電状態の理解の観点で有用である.また,放電内で発生する負イオン存在の影響を調べた結果,電気的負性度(電子密度に対する負イオン密度の比)で評価した場合,電気的負性度はO2ガス混合比の増加に対して0.01〜10のオーダと3桁もの広範囲で時間的・空間的に変化した。あと,O2ガス混合比に対して,放電内の荷電粒子種の密度組成が,純Xeガス主導の組成(混合比0.2%以下),純O2ガス主導の組成(混合比1%以上),ならびにその中間的な組成と3つに大別された。Xe/H2混合ガス下の解析結果からは,負イオンの影響が無いため,その点を除いてXe/O2時の結果と類似した結果が得られた。そして,上記混合ガスにおけるボルツマン方程式解析を行った結果,少量のH2ガス添加の影響によりXeガス単体時よりも,Xeエキシマ生成に重要となる高エネルギー電子が効率良く生成可能であることが示唆された。そして,本研究で構築した流体モデルで解析を行ったところ,放電に必要な電圧などの諸条件が大きく変化するために,H2ガス添加のXeエキシマ生成への効果が不明確であった。よって,この点は今後の検討課題となるであろう。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 小田昭紀, 木村高志: "Xe/O_2ガス混合バリア放電のモデリング-O_2ガス添加のXeバリア放電特性への影響-"電気学会論文誌A. 123・12. 1253-1258 (2003)
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[Publications] Akinori ODA, Haruaki AKASHI, Yosuke SAKAI: "Effect of a Small Admixture of Hydrogen on Lamp Characteristics of Xe Barrier Discharge Excimer Lamps"Contributed Papers of XXVIth International Conference on Phenomena in Ionized Gases (Greifswald, Germany). Vol.2. 85-86 (2003)