2003 Fiscal Year Annual Research Report
電気機械系の共振時に生じる非線形振動現象の解析とその制御
Project/Area Number |
14750216
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
井上 馨 同志社大学, 工学部, 助手 (60343662)
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Keywords | フライホイールシステム / 連成振動 / 非線形現象 / 係数行列を用いた安定判別 / コンバータ回路 / ねじれ振動 / ふれまわり振動 |
Research Abstract |
電力貯蔵用フライホイールシステムは,電力をフライホイールロータの回転エネルギーとして貯蔵するもので,発電電動機とコンバータを介して電力の貯蔵・放出ができる.本研究では,フライホイールシステムのロータの振動とロータを駆動するための電気系の振る舞いの相互影響に着目した解析を行った.得られた結果は以下の通りである. 1.電動機に与える電圧を増減し,ホイールロータを加速・減速させて電力を貯蔵・放出させた.このとき,ロータのふれまわりが周期振動→準周期振動→カオス振動へと分岐する場合があることを明らかにした.またロータの振動軌跡を2次元平面で詳細に解析した結果,水平方向と垂直方向の振動の位相が大きく変動する現象がみられた. 2.電気的な振動であるコンバータの高周波リプルが,電動機を通じてロータのねじれ振動に与える影響を検討した.このリプルの周波数をロータのねじれの共振周波数と反共振周波数に設定してシミュレーションと実験で解析した結果,実験では入力した周波数成分以外の周波数成分が現れた.この原因については,ロータや電動機などの非線形性によるものと考えられるが,詳細についてはまだまだ検討の余地がある. 3.コンバータは定常状態での動作を主眼に設計されるが,定常状態に至る過渡状態の動作についても調べる必要がある.そこで,クランプモード直列共振DC-DCコンバータの過渡状態における動作について解析を行った.その結果を用いて,過渡状態を早く収束させて定常状態に至らせる方法について検討を行った. 4.電気系と機械系の混合システムの安定性を検証するための安定条件について検討を行った.数学モデルの係数行列の性質を用いて安定性が判別できる十分条件を昨年導いたが,これをより広いクラスのシステムに対して拡張した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 井上馨, 加藤利次: "リアプノフ関数法に基づく2階ベクトル微分方程式の安定性解析"同志社大学理工学研究所研究報告. 44巻1号. 42-47 (2003)
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[Publications] K.Inoue, S.Yamamoto, T.Ushio, T.Hikihara: "Torque based control of whirling motion in a rotating electric machine under mechanical resonance"IEEE Transactions on Control Systems Technology. 11巻3号. 335-344 (2003)
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[Publications] 井上馨, 加藤利次: "パラメータ励振LCR共振回路の係数の性質を用いた漸近安定化と同期化制御"電気学会論文誌C編. 124巻5号(出版予定). (2004)