2002 Fiscal Year Annual Research Report
エコ・エレクトロニクス材料β-FeSi_2単結晶の育成と高感度赤外検出器への応用
Project/Area Number |
14750224
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
鵜殿 治彦 茨城大学, 工学部, 助手 (10282279)
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Keywords | β-FeSi_2単結晶 / 溶液成長法 / 光学的特性 / 電気的特性 / Ga溶媒 / Sn溶媒 / 不純物ドーピング / 近赤外受発光素子 |
Research Abstract |
溶液から成長した半導体鉄シリサイド,β-FeSi_2,単結晶を基板として利用するための加工技術,表面処理技術を開発した。加工した結晶を用いてβ-FeSi2の光学的,電気的特性について調べた.また,基板結晶の不純物ドーピング技術を開発した。更に,超高真空装置を立上げ低温バッファ層およびSbサーファクタンと効果によって平坦なβ-FeSi2膜を成膜できることを明らかにした。これら主な研究成果の詳細は下記の通りである。 1.β-FeSi_2単結晶の弗化水素酸,及びフッ硝酸に対するエッチング速度を明らかにし,エッチング速度の異方性があることを明らかにした。 2.Sn溶媒を用いた溶液成長でn型のβ-FeSi_2単結晶が育成できることを明らかにし,その育成条件を調べた。 3..Sn溶媒から育成したn型β-FeSi_2結晶の電気的特性を明らかにした。 4.Sn-Ga混合溶媒を用いることでp型とn型の導電型を作り分け,そのキャリア濃度も制御できることを明らかにした。 5.β-FeSi_2の光吸収特性を調べフォノンの放射・吸収構造を初めて見いだし,β-FeSi_2が間接遷移型の半導体であることを明確にした。 6.反射特性からβ-FeSi_2結晶の光学異方性を実験的に初めて明らかにした。 7.サファイア基板上にβ-FeSi_2単相膜を成膜する際に,低温バッファ層を用いることで平坦な成膜が行えることを初めて明らかにした。 8.Si基板上へのβ-FeSi_2膜のMBE成長の際に,Sbを照射することで平坦なβ-FeSi_2、薄膜が成膜できる事を明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 鵜殿治彦: "β-FeSi_2の吸収特性"JAERl-Conf. No14. 3-5 (2002)
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[Publications] 松村和剛他2名: "Sn溶媒から成長した鉄シリサイド結晶の電気的特性"JAERl-Conf. No14. 51-52 (2002)
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[Publications] 福山修二他3名: "サファイア基板上への鉄シリサイド膜の成長"JAERl-Conf. No14. 53-54 (2002)
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[Publications] 松村和剛他3名: "Sn溶媒からのベータ鉄シリサイド結晶成長とその電気的特性評価"平成14年度電気学会東京支部茨城支所研究発表会講演予稿集. 19-20 (2002)
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[Publications] Haruhiko Udono他2名: "Crystal growth of β-FeSi_2 by temperature gradient solution growth method using Zn solvent"J.Crystal Growth. Vol.237-239. 1971-1975 (2002)
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[Publications] Haruhiko Udono, Isao Kikuma: "Solution growth and optical characterization of β-FeSi_2 bulk crystals"Jpn.J.Appl.Phys.. Vol.41No.5B. L583-L585 (2002)