2003 Fiscal Year Annual Research Report
エコ・エレクトロニクス材料β-FeSi_2単結晶の育成と高感度赤外検出器への応用
Project/Area Number |
14750224
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
鵜殿 治彦 茨城大学, 工学部, 助手 (10282279)
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Keywords | β-Fesi_2 / 半導体鉄シリサイド / 単結晶 / 間接遷移 / 電子構造 / キャリア濃度制御 / フォトルミネッセンス / ホモエピタキシー |
Research Abstract |
半導体鉄シリサイド,β-FeSi_2,単結晶の成長条件を検討しより大型の結晶を得ることに成功した。更に,実際に研磨を行いβ-FeSi_2基板を作製し,MBE成長を行った。この結果,β-FeSi_2基板上にホモエピタキシャル膜を成膜できたが,その膜の結晶性,キャリア濃度制御の問題について課題が残った。このため,良好なpn接合特性を得るまでには至らなかった。 また,結晶のキャリア濃度の制御を試み,Zn溶媒を用いて低キャリア濃度で比較的大型のβ-FeSi_2結晶を作製できた。この結晶を用いてこれまで以上にβ-FeSi_2の光学的特性について明らかにすることが出来た。これら主な研究成果の詳細は下記の通りである。 1.β-FeSi_2単結晶を研磨し,弗化水素酸,及びフッ硝酸でエッチングすることで明瞭なRHEEDパターンを確認し,成長基板として利用することが可能になった。 2.p型のβ-FeSi_2単結晶基板上に厚さ100nm程度のβ-FeSi_2膜を作製することに成功した。 3.β-FeSi_2基板上の成長ではSi基板上に成長する場合と異なり,基板側からのSiの供給または吸い出しが無いために分子線の蒸発量比Fe/Siが成膜に非常に大きく影響することを確認した。今回の実験で膜のキャリア濃度制御及び伝導型制御が困難だったのはこの影響が大きいと考える。 4.成長アンプル系,温度勾配を見直すことで,より短時間に大型の結晶を育成できるようになった。 5.Zn溶媒からも数ミリサイズ角の単結晶を育成できるようになり,バルク単結晶から初めてフォトルミネッセンス発光を確認した. 6.β-FeSi_2の光吸収特性を調べ直接遷移端,間接遷移端の温度依存性を明らかにした。 7.偏光反射測定を行い各方位(a//E,b//E,c//E)の反射スペクトルを初めて明確にし,FLAPWを用いた電子構造計算結果から得られる反射スペクトルの情報が実験結果と良く一致することを明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Haruhiko Udono 他3名: "Control of Ga doping level in β-FeSi_2 using Sn-Ga solvent"Materials Science in Semiconductor Processing. 6/5-6. 413-416 (2004)
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[Publications] Haruhiko Udono 他1名: "Etch pits observation and etching properties of β-FeSi_2"Materials Science in Semiconductor Processing. 6/5-6. 285-287 (2004)
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[Publications] Haruhiko Udono 他1名: "Electrical properties of p-type β-FeSi_2 single crystals grown from Ga and Zn solvent"Thin Solid Films. (in press).
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[Publications] Haruhiko Udono 他5名: "Optical properties of β-FeSi_2 single crystals grown from so solutions"Thin Solid Films. (in press).