2002 Fiscal Year Annual Research Report
スパッタビーム堆積法によるSrAl_2O_4薄膜の結晶性及び配向性制御に関する研究
Project/Area Number |
14750229
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
清水 英彦 新潟大学, 工学部, 助教授 (00313502)
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Keywords | スパッタ法 / SrAl_2O_4蛍光体 / 空気中熱処理法 / 真空中熱処理法 / 酸素分圧 / 結晶性 / 配向性 / 還元 |
Research Abstract |
本年度の研究では,SrAl_2O_4蛍光体薄膜の結晶性及び配向性を制御を行うための基礎データ収集を行うため,ArとO_2による反応性スパッタ法により薄膜を堆積させた後,空気中熱処理及び真空中熱処理を行った。その結果,空気中熱処理法では,スパッタ膜堆積時の酸素分圧を約0.1Paでスパッタ堆積を行った後,1000℃で空気中熱処理を行った場合,最も結晶性及び(010)配向性が良い膜が得られ,膜の剥離を抑制することが可能であることを明らかにしている。また,PL測定結果より,酸素分圧を0.1Paでスパッタ堆積を行った後,空気中1000℃で熱処理を行って作製した膜では,膜の中心部において緑色の発光を,端部では赤色の発光し,酸素分圧が0.1Pa以外の膜及び熱処理温度1000℃以外で作製した膜では,全て赤色の発光であることを明らかにしている。真空中熱処理法では,スパッタ膜堆積時の酸素分圧を変化させて膜を堆積した後,真空中で熱処理した膜は,ランダム配向膜が形成されていること。スパッタ膜堆積時の酸素分圧によらず,どの膜も空気中で熱処理した膜に比べ結晶性が悪いこと。真空中熱処理後の膜では作製時の酸素分圧によらず全ての膜において亀裂や剥離が生じ,膜の剥離を抑制することができないこと。作製した膜は,スパッタ膜堆積時の酸素分圧によらず,真空中熱処理前後において組成比が大きく変化し,これが膜の結晶性の悪さや亀裂・剥離の一因であることを明らかにしている。また,PL測定結果より,真空中熱処理法により作製された全ての膜から緑色の発光を確認し,膜中の酸素が真空中で熱処理することにより多量に抜け,Euが3価から2価に還元されたことを明らかにしている。 これ等の成果は,電子情報通信学会,電気学会,応用物理学会の学術講演会で報告を行っている。また,上記の成果を学会誌に投稿する準備も現在進めている。
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