2002 Fiscal Year Annual Research Report
高効率・低コスト次世代太陽電池素子用環境考慮型炭素系半導体材料の研究
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14750232
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
林 靖彦 名古屋工業大学, 工学研究科, 助手 (50314084)
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Keywords | アモルファスカーボン / 太陽電池 / 高光伝導性 / 伝導性制御 / 抵抗率制御 / ボロンドーピング / 原子状水素 / 低欠陥密度 |
Research Abstract |
平成14年度は,具体的な技術確立目標として,Phase 1およびPhase 2の一部に関して研究を行った. Phase 1.太陽電池に最適な高品質a-C膜の堆積技術の確立 堆積条件の最適化を行い,禁制帯幅制御した低残留欠陥密度,高光吸収係数で高光伝導度のa-C膜堆積の研究を行った.太陽電池材料として最適な禁制帯幅(1.2〜1.5eV)をグラファイト・スパッタ投入電力(30W〜300W)の調整で比較的容易に制御できることが確認できた.透過・反射から計算した薄膜の光吸収係数は,2〜3×10^4cm^<-1>程度で,スパッタの投入電力が大きくなると吸収係数が小さくなる傾向が観測された.ESRによる残留欠陥の測定から,残留欠陥密度はas-grwonの試料で1〜5×10^<-18>spinsであり,成長中に原子状水素を照射すると膜はポリマーライクとなり,構造変化による物性変化が観測された.しかし,a-C膜堆積後に原子状水素を照射すると,a-C膜の物性を変化させることなく欠陥密度を一桁程度低減でき,光感度特性の向上が観測された. Phase 2.a-C膜への不純物添加とp/n伝導性・抵抗率制御技術の確立 固体ボロンとグラファイトを同時にスパッタすることで,a-C膜のp型伝導性・抵抗率制御の研究を行った.本方法により不純物無添加a-C膜の物性に大きな変化を与えること無く,ボロン不純物を導入できることが確認できた.2次イオン質量分析(SIMS)により,薄膜中でのボロンのばらつきは無く均一で,ボロンスパッタ条件の変化に対応したSIMS信号強度を得ることができた.膜中のボロン含有量の増加に伴い膜の抵抗率が下がることから,ボロン不純物が抵抗率制御に有効なことが分かった.van der Pauw法を用いて伝導型を測定したところ,ボロン添加a-C膜のホール係数は全てp型を示し,ボロン不純物を添加することでp型伝導性制御に成功した.本研究で堆積したボロン添加a-C膜全てから,光伝導性が確認された.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Hayashi, T.Soga, T.Jimbo: "Photovoltaic Properties of Boron-Incorporated Amorphous Carbon on n-Si Heterojunction Grown by Radio Frequency Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition Using Trimethylboron"Japanese Journal of Applied Physics. 42. L273 (2003)
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[Publications] Y.Hayashi, S.Ishikawa, T.Soga, T.Jimbo: "Photovoltaic characteristics of boron-doped hydrogenated amorphous carbon on n-Si substrate prepared by r.f.plasma-enhanced CVD using trimethylboron"Diamond and Related Materials. (2003)