2002 Fiscal Year Annual Research Report
フレキシブル有機電子デバイスのためのプラズマプロセシング
Project/Area Number |
14750233
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
白藤 立 京都大学, 国際融合創造センター, 助教授 (10235757)
|
Keywords | 有機電子デバイス / フレキシブルデバイス / プラズマプロセシング |
Research Abstract |
次世代電子デバイスとして注目されている有機デバイスのプロセス工学における一つの要素技術である薄膜堆積プロセスに注目し、実用可能な膜堆積手法を確立するための研究をおこなった。C_5F_8を用いた高周波(RF)プラズマ化学気相堆積(PE-CVD)法では、プラスチック基板を変質させることなく最大500nm/minという実用レベルの高速成膜を達成した。水の接触角は、テフロン相当の107°であった。プラスチック基板の曲げによる薄利は観測されなかった。透明性については、CF系特有の若干褐色を帯びる点が今後の改善課題である。走査型電子顕微鏡による成膜後の断面の観察により、高段差被覆性能を有する条件を探索した。高RF電力下では陰の部分が被覆されず、劣悪であった。一方、低RF電力下においては陰の部分も被覆するという、優れた段差被覆性を達成した。その原因を明らかにするために、その場赤外吸収分光法による気相診断を行った。高RF電力下では原料の解離が進行し、成膜前駆体が低分子量のラジカルであった。低RF電力下では、原料の部分的な解離が生じ、高分子量の成膜前駆体が寄与している可能性があり、優れた段差被服実現に有効な前駆体と考えられる。また、成膜速度を向上させる方法として、不飽和のC_5F_8では、イオン衝撃が有効であることを明らかにした。また、現行ULSIに必要とされる有機系低誘電率膜作製法としてC_6F_6/C_5F_8を用いたPE-CVDについても着手し、高速信号処理時の配線間容量を低減できる低誘電率2を実現した。更に、アニールによる多孔質化を必要とするが、誘電率1.6を実現することができた。同時に、有機系低誘電率膜のドライエッチングプロセスに関してもそのメカニズムを解明すべく、その場反射赤外吸収分光法を適用し、表面観察によるメカニズム解明の可能を示した。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 和田卓久: "有機ELパッシベーション膜としてのa-C : FのプラズマCVD"第49回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集. 49・2. 941-941 (2002)
-
[Publications] 槌野晶夫: "C_5F_8/C_6F_6混合ガスを用いた低誘電率薄膜のプラズマCVD"第49回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集. 49・2. 942-942 (2002)
-
[Publications] 槌野晶夫: "C_5F_8/C_6F_6混合プラズマの気相診断"第63回応用物理学会学術講演会 講演予稿集. 63・2. 843-843 (2002)
-
[Publications] Tatsuru Shirafuji: "Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition of a-C : F Films for Passivation of Organic Electroluminescence Devices"Proceedings of the 5^<th> International Conference of Reactive Plasmas. 5・2. 187-188 (2002)
-
[Publications] Akio Tsuchino: "Plasma CVD of Low-k a-C : F Films Using C_6F_6/C_5F_8"Proceedings of the 5^<th> International Conference of Reactive Plasmas. 5・2. 205-206 (2002)
-
[Publications] 槌野晶夫: "C_5F_8/C_6F_6を用いたLow-k膜堆積過程の気相診断"第20回プラズマプロセシング研究会 プロシーディングス. 20・1. 211-212 (2003)
-
[Publications] 本村英樹: "FT-IR偏光解析法による有機low-k膜エッチング表面反応の診断"第20回プラズマプロセシング研究会 プロシーディングス. 20・1. 257-258 (2003)