2004 Fiscal Year Annual Research Report
大面積放電プラズマ生成用線状アンテナの設計に関する研究
Project/Area Number |
14750251
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 弘康 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20302234)
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Keywords | 電磁波 / アンテナ / プラズマ / FDTD法 / 大面積 / 成膜 / VHF / 最適化 |
Research Abstract |
本研究は,液晶ディスプレイや太陽電池等の製造に必要なアモルファスシリコン基板の大面積化のため,大面積にわたってプラズマを生成・制御可能な線状アンテナ及び給電法を明らかにすることを目的としている.1.2m×1.6mのガラス基板面に均一な成膜を行うため,25素子折り返しモノポールアレーアンテナを用いてガラス基板面上において電磁界が均一となるように給電位相を制御する方法を提案した.電磁界解析手法としてFDTD法を用いた.ただしプラズマの放電の際の過渡的な現象,熱運動効果を無視する冷プラズマ近似を用いた.アレーアンテナのFDTD解析を行うためにはスーパーコンピュータの利用が不可欠である上に,一回の計算時間は9時間を越える.そのためさまざまな給電位相値に対して計算を行う方法は現実的ではない.そこで,電磁界の重畳の理と共役勾配法を用いて計算速度の大幅な向上を図った.さらに任意の給電振幅・位相に対し基板全面における電界強度分布の偏差が最小となるような給電位相,振幅を高精度に求めた. 得られた給電位相は概ね交互に逆位相の関係であった.また,基板のサイズやアンテナの長さが変化した場合に最適な周波数が変化する知見を見出した.得られた給電位相値を用いて成膜実験を行った.その結果,電磁界が均一となった場合に均一な成膜速度分布が得られた.以上の結果より,さらに,電磁界分布と膜厚分布には相関があり,均一な電磁界が生成できれば膜圧分布も均一となる知見を得た.本設計手法はVHF帯のRFプラズマ生成に用いる線状アンテナにおいて,任意形状のモデルに対して適用できるため,今後RFプラズマ生成分野への応用範囲は広く,さまざまな構造モデルへの適用性を検討する余地が残されている.
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Research Products
(4 results)