2002 Fiscal Year Annual Research Report
進化論的計算手法を用いた適応ディジタルフィルタのハードウェア実現に関する研究
Project/Area Number |
14750275
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿部 正英 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90312602)
|
Keywords | 適応信号処理 / 進化論的計算手法 / 遺伝的アルゴリズム / 進化論的ディジタルフィルタ / 並列処理 / 分散処理 |
Research Abstract |
本研究では,本研究代表者が提案している進化論的計算手法による適応ディジタルフィルタである進化論的ディジタルフィルタ(evolutionary digital filter : EDF)の収束特性の向上と並列実現を目的として,(1)計算機上でのソフトウェアによる実現と(2)高並列VLSIシステムのプロトタイプによる実現を行い,提案しているEDFの適応信号処理能力を総合的に評価する.これまでに,EDFを並列プロセッサ上で実現するために適応アルゴリズムと構造を改良した並列EDFを検討している. そこで,本研究では,EDFを高速に実行するための高並列VLSIシステムのプロトタイプを試作し,その性能として,処理速度や回路規模などを評価している. まず,単一のFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)上でのEDFの実現と評価を行った.さらに,ハードウェア量を大幅に削減するハードウェア構成を提案した.ここで,設計は,ハードウェア記述言語によって行い,FPGAによって実現する.ここでは,高並列VLSIシステム実現の基礎的実験として,単一のEDFを単一のFPGA上で実現し,処理速度や回路規模,VLSI実現の適合性を評価した. 評価実験により,今回実現したEDFではサンプリング周波数は2.6KHzであり,ソフトウェア上でEDFを実現した場合に対して1.5倍高速に動作する.さらに,ハードウェア量を大幅に削減するハードウェア構成の提案し,FPGA上に実現した.その結果,11,040×16bitsのサイズの共有メモリを削除できた.今後,今回の評価で明らかになった問題点を解決して音声帯域をカバーできるサンプリング周波数を実現することを予定している.
|