2002 Fiscal Year Annual Research Report
電子透かしを用いた画像コンテンツの著作権保護に関する研究
Project/Area Number |
14750276
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
長谷川 まどか 宇都宮大学, 工学部, 講師 (80322014)
|
Keywords | 電子透かし / 透かし消失防止 / 画像処理 / 直交変換 / ウェーブレット変換 |
Research Abstract |
近年,ディジタルコンテンツの流通量の飛躍的な増大に伴い,劣化のない複製や,証拠の残らないデータ改ざんが大きな問題になってきており,有効な著作権保護策として電子透かし技術が注目を集めている. 画像に対する電子透かしの方式の一つとして直交変換を利用する方式がある.この方式は,画像を直交変換により周波数成分に変換し,その変換係数を変更することで情報を埋め込む.しかし,この方式を用いた場合,透かし情報に応じて限られた周波数成分のみを変更するために,逆変換後に得られる透かし合成画像の画素値がダイナミックレンジを超えてしまうことがある.このとき行われるクリッピング処理により,画像処理などの攻撃が行われていないにもかかわらず,透かし情報が変化する場合がある. 第1年目である本年度は,直交変換を利用した電子透かしにおける上記の問題点を解決する方法についての検討を行い,「増減反転法」と「変化量保存法」の2手法を提案した.これらの手法を用いることで,透かし合成画像から正確に透かし情報を抽出することができる.本方式のシミュレーション実験により,攻撃を受けていない場合には透かし合成画像から正しく透かしを抽出できることを明らかにした. さらに,ウェーブレット変換を用いた電子透かし方式に注目し,隣接する変換係数の大小関係のパターンを透かし情報に応じて変更することで透かしを埋め込む方式の開発と,本方式による画品質と攻撃耐性の基礎検討を行った.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 渡辺淳, 長谷川まどか, 加藤茂夫: "直交変換利用型電子透かしにおける無攻撃時の透かし情報消失防止についての検討"画像電子学会誌. Vol.31,No.1. 13-21 (2003)
-
[Publications] 山田崇史, 長谷川まどか, 加藤茂夫: "DCT係数の大小関係を利用した静止画像に対する電子透かしについて"画像電子学会第196回研究会予稿. 02-03. 5-8 (2002)
-
[Publications] Madoka Hasegawa, Shigeo Kato: "Tamper Detection of Digital Watermark Using Vector Set of Wavelet Coefficient"14th International Conference on Systems Research, Informatics and Cybernetics, Advances in Computer Cybernetics. Volume XI. 25-28 (2002)
-
[Publications] Jun Watanabe, Madoka Hasegawa, Shigeo Kato: "Study on Preventing Bit Error of Digital Watermark Using Orthogonal Transform"2002 International Technical Conference on Circuits/Systems, Computers and Communications(ITC-CSCC'02). 277-280 (2002)