2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14750291
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 真紀 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (50335387)
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Keywords | 著作権保護 / 電子透かし / 検出誤り率 / 推定 / False positive error / False negative error |
Research Abstract |
本年度は、電子透かしにおける検出誤り確率推定に関して、以下の研究を行った。 1.オーディオ信号への電子透かし法に対する検出誤り確率推定法の開発と評価 予備的検討で考案した検出誤り確率推定法よりも、正確に推定する手法を提案した。対象とする電子透かし法は、透かしの検出にオーディオ信号の統計量を利用する電子透かし法である。推定精度を上げるために、利用される統計量がもつ性質を考察し、多くの統計量が共通してもつ一般的な性質を推定に利用した。さらに、提案法を計算機上に実装し、実際的な電子透かし法の利用状況における推定精度を評価した。その結果、予備的検討で考案した推定法より推定精度が上がっていることが確認できた。なお、推定精度が上がっていることは検定を行って確認した。また、この結果を国際会議(ISITA2002)で発表し有益な議論を行った。 2.提案した検出誤り確率推定法を静止画への電子透かし法に対して適用した場合の評価 静止画の(電子透かし法に利用される)統計量もオーディオ信号の統計量と同様の性質をもつと予想し、1の推定法を静止画への電子透かし法に対して適用し、推定精度を評価した。その結果、電子透かしの利用状況によっては、オーディオ信号と同様に推定精度が良いことを確認した。一方で、オーディオ信号であれば推定精度が良くても、静止画であれば推定精度が悪くなる状況があることも確認した。推定法を改良するために、静止画で推定精度が悪くなる場合の透かし入り静止画の統計量を調べ、その原因を考察した。 3.暗号文や署名文への電子透かしを可能とするための暗号方式の考案 互いに独立に生成された二つのデータ(暗号文や署名文)を分離が困難となるように多重化する手法(分離不能多重化通信方式)を提案した。また、分離の困難さがDH問題より困難となるための十分条件を示した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Takayuki Ueno, Maki Yoshida, Toru Fujiwara: "A Method of Estimating the Detection Error Rate in a Certain Digital Watermarking for Audio Signals"Proceedings 2002 International Symposium on Information Theory and Its Applications. 359-362 (2002)
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[Publications] 上野貴之, 吉田真紀, 藤原融, 越前功, 吉浦裕: "電子透かしの検出誤り確率推定法とその適用事例における精度評価"2003年暗号と情報セキュリティシンポジウム予稿集. 633-638 (2003)
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[Publications] Maki Yoshida, Shigeo Mitsunari, Toru Fujiwara: "Inseparable Multiplex Transmission Scheme Using the Pairing on Elliptic Curves"Technical report of IEICE. ISEC2002-65. 61-67 (2002)
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[Publications] Maki Yoshida, Shigeo Mitsunari, Toru Fujiwara: "Vector Decomposition Problem and the Trapdoor Inseparable Multiplex Transmission Scheme based the Problem"2003年暗号と情報セキュリティシンポジウム予稿集. 491-496 (2003)