2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14750291
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 真紀 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (50335387)
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Keywords | 著作権保護 / 電子透かし / 検出誤り率 / 検出結果の信頼性保証 / False positive error |
Research Abstract |
本年度は、電子透かしにおける検出誤り率推定に関して以下の研究を行った。 1.統計量を利用した抽出型電子透かし法に対する抽出誤り率の推定法の考案・実装・評価 昨年度に定義した検出型電子透かし法のモデルを拡張し、抽出型の電子透かし法に対するモデルを定義し、推定対象とする抽出誤り率であるビットエラー率を、そのモデルの下で定義した。また、昨年度に提案した検出型電子透かし法に対する検出誤り率推定法をもとに、抽出型電子透かし法に対するビットエラー率推定法を考案した。検出誤り率の推定では、コンテンツに関する一種類の統計量の分布を推定していたが、ビットエラー率の推定では、異なる種類の統計量の混合分布を推定することになる。混合分布の推定を行うために、統計量がもつ性質のうち、特に推定に有効となる性質を検討し、それを推定法に用いた。また、考案した推定法を実装し、その推定精度を評価した。 2.統計量を利用した電子透かし法に対する検出結果の信頼性保証法の考案・実装・評価 電子透かし法における二つの検出誤りのうち、false positive error (FPE)は不正者の誤認につながるため、FPE確率が要求された確率以下となることを保証することが要求される。しかし、FPE確率を下げすぎれば、もう一つの検出誤りであるfalse negative errorの確率が上がり、不正者の見逃しにつながる。よって、FPE確率を下げすぎず、要求された確率にできることを何らかの数学的理論に基づき保証できること(検出結果の信頼性の保証)が重要である。抽出型電子透かし法に対するビットエラー率の推定のために検討した、統計量がもつ性質を利用し、検出型の電子透かし法に対して検出結果の信頼性を保証可能とする方法を考案した。そして静止画に対する電子透かし法に適用し実装した上で、その精度を評価した。また、その成果を国内シンポジウム(SCIS2004)で発表し、有益な議論を行った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 岡本邦宏: "統計量利用型電子透かしに対する検出結果の信頼性保証"2004年暗号と情報セキュリティシンポジウム予稿集. 879-884 (2004)
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[Publications] 藤原晶: "コンテンツ配信サービス提供者だけが視聴動向を把握できる委託配信システム"2004年暗号と情報セキュリティシンポジウム予稿集. 487-492 (2004)
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[Publications] Shingo Okamura: "Graph-Structured Contents Delivering Systems with Charging through Intermediary"Proceedings of the 2004 Symposium on Cryptography and Information Security. 53-58 (2004)
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[Publications] 大村浩正: "プログラムの情報フロー解析における暗号技術に基づく関数への対処法"コンピュータセキュリティシンポジウム2003論文集. 487-492 (2003)
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[Publications] 小西祥之: "分岐構造をもつコンテンツに対する分岐選択履歴を配信者から秘匿可能な配信システム"コンピュータセキュリティシンポジウム2003論文集. 367-372 (2003)