2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14750324
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
衣笠 保智 松江工業高等専門学校, 電気工学科, 助手 (40300610)
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Keywords | 線形予測 / 櫛形フィルタ / 騒音抑圧 |
Research Abstract |
本研究の目的は周囲雑音にロバストな適応フィルタによる携帯電話端末に適した騒音抑圧法の開発である.携帯端末であるが故に,環境が変わるため周囲雑音の性質は常に変化する.そのため,交差点などの高騒音環境から川べりなどの比較的低騒音環境まで,様々な騒音データ収集を大容量記憶装置により保存作業を行った.これにより,様々な環境下での周囲雑音を模擬することが可能となった.また,人間の音声スペクトル包絡が櫛形状であることに着目し,雑音に埋もれた音声信号から,櫛形状の音声スペクトル包絡を適応線形予測誤差フィルタを用いて逐次推定を行えば,櫛形スペクトルを有する音声成分のみが現れ,それ以外の周波数成分すなわち騒音成分は遮断されることになる.この着想に基づき計算機シミュレーションによる実験とプログラマブルDSP(Digital Signal Processor)を用いて周囲雑音にロバストな適応フィルタの具体的な開発を進めた.適応アルゴリズムとして研究代表者が行ってきた高速適応アルゴリズムを用いて高速化の検討を行った。ここで得られた知見は以下の通りである.まず,得られた結果より,従来法としてよく用いられているスペクトラルサブトラクション法(SS法)よりも周囲雑音の変化にロバストであることが確認された.しかし,開発された適応アルゴリズムの多数のパラメータがお互いに影響を及ぼしており,そのパラメータ設定により,高速で高精度な結果を得られるものもあれば,高精度であるが低速となってしまい,パラメータ選定が複雑となることが判明した.よって,適応アルゴリズムのパラメータを常に最適値に自動設定でき、高速な適応アルゴリズムを現在検討中である.以上が,本年度で得られた成果である.
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