2002 Fiscal Year Annual Research Report
文書蓄積・検索等の非数値計算向け並列非同期入出力処理の高速化に関する研究
Project/Area Number |
14750339
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
日高 宗一郎 国立情報学研究所, 実証研究センター, 助手 (70321578)
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Keywords | 非数値計算処理 / 並列処理 / スレッドライブラリ / 共有メモリ |
Research Abstract |
非数値計算処理は計算機、通信システム等の設計に用いられる離散シミュレーションや推論システム、また近年盛んになっているインターネット上の大量の文書の検索処理の索引付けなど、幅広い応用範囲を持っている。 このような計算処理は数値計算処理と同様に並列処理による高速化が期待される。 一方、前述の非数値計算分野では、数値計算分野ほど汎用な機構がほとんど提供されていない。 本研究では、非数値計算においてハードウェアの投資(プロセッサ数や相互結合網の通信方式)に見合う性能を引き出すためにアプリケーションとハードウェアに介在する各階層でどのような仕組みが必要となるかを明らかにする。 本年度は、アプリケーションとハードウェアに介在する言語処理系、OS等各階層での並列入出力処理の性能決定要因を調査した また、各階層での既存のプログラミングパラダイムや開発ツールの調査を行った。 プログラム開発用PC上で、性能の予備評価を行い性能決定要因を定量評価した。東京大学情報基盤センターの並列計算機上での予備評価環境構築の準備も行った。 既存のプログラミングパラダイムとしてのスレッドライブラリの調査では、SR8000、AT互換機、Sunワークステーションと、異なる環境での共有メモリスレッド並列処理の調査を行った。PThreadを用いた対称、非対称並列処理ライブラリを構築し、対称並列呼び出し、バリア同期、スレッド間通信の予備的インタフェースを実装し、性能評価を行った。特にSR8000では、プロセス間同期に比べて、スレッド間同期の取り方によっては性能を得るのが非常に難しいことが明らかになった。 また、入出力処理についても同様にさまざまなアーキテクチャの比較を行い、特にSR8000上ではファイルシステムの問い合わせ機構、I/0性能、I/0担当ノード問い合わせ機構等について調査を行った。またバッチ処理環境の中での会話型的な操作インタフェース実装の改善を行った。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 日高 宗一郎: "マルチサーバ型制御用OSの構成とタスク間通信性能"電子情報通信学会論文誌. J86-B・3. 376-384 (2003)
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[Publications] K.Maruyama: "Extensible Distributed Operating System for Reliable Control Systems"Proceedings of the Tenth ACM SIGOPS European Workshop. (2002)
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[Publications] S.Hidaka: "A File Server Optimization Using Scatter/Gather IPC on L4 Based Multi-Server Operating System"Proceedings of the 6th World Multiconference on Systemics, Cybernetics and Informatics. 1. 184-189 (2002)
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[Publications] 日高宗一郎: "大規模通信シミュレーションのハイブリッド並列環境への適用"電子情報通信学会ソサエティ大会講演論文集. 480 (2002)