ヒトの指の感覚機構を模擬する触覚センサによる筋の硬さ計測システムの開発

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14750352
• Research Institution: Keio University
• Principal Investigator: 内山 孝憲 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (50243324)
• Keywords: 筋 / 硬さ / 弾性 / 上腕二等筋 / 押し込み反力

Research Abstract

多軸のフォーストルクセンサを用いて,ヒトの上腕二等筋を対象として.押し込み量と反力関係を計測した.その結果,押し込み方向に対して垂直な方向の反力の大きさは,押し込み方向の反力の大きさに比べて小さいこと,また押し込み方向に垂直な方向の反力を考慮して,押し込み量と反力の関係を補正しても,筋腹上を垂直に押し込むときに得られる特性とは一致しないことが分かった.このことは,筋腹上を垂直に押さない場合には,押されることによって,筋の位置が動くことによるものと考えられる.
ヒトの上腕二等筋を対象として,押し込み量および押し込み位置を様々に変化させて,押し込み量と反力の関係を計測し,筋の硬さを推定した.一元配置の分散分析を行ったところ,再現性よく筋の硬さを推定するためには,ヒトの上腕では,押し込み量を11から13mmとし,押し込み位置を筋腹上とし垂直に押し込む必要があることが分かった.そして,このとき位置ずれの許容範囲は,上腕の軸に対して垂直な方向については筋腹から3mm以内であることが分かった.
肘関節を屈曲するように等尺性収縮を行っているとき,押し込み量と反力および筋活動を計測した.押し込むことによって伸張反射が発生し,筋活動が増大することを予想していたが,押し込み量に依存する考えられる筋活動は観測されなかった.筋活動は,等尺性収縮力に依存した.また,押し込み量と反力の関係から推定した筋の硬さは,等尺性収縮力の増大につれて,増加した.