2002 Fiscal Year Annual Research Report
高周波帯域における超電導体の抵抗率・磁場侵入長・臨界電流密度の同時測定
Project/Area Number |
14750353
|
Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
山崎 貞郎 工学院大学, 工学部, 講師 (60317344)
|
Keywords | 高温酸化物超電導 / Bi系2223相 / SRPM法 / 複素インピーダンス / 磁界依存性 / 抵抗率 / 磁場侵入長 / 臨界電流密度 |
Research Abstract |
20Hz〜1MHzの周波数帯域において抵抗率・磁場侵入長を同時測定する超電導試料として、直径5mm,長さ25mmのBi系2223相円柱状試料を用いた。これは、将来、通信機器や高速計算機に対して超電導材料が応用される場合を考慮した形状である。この円柱状超電導試料の特性をコイル型センサの複素インピーダンス変化で測定するために、試料の抵抗率・磁場侵入長をパラメータとして含む理論式を導出し,作成した解析プログラムを用いてシミュレーション計算をおこない,試料評価に用いるインピーダンスマップを作成した。 コイル型センサを用いる場合,高周波化するにつれて巻線の等価断面積が減少することによりセンサの抵抗値が上昇する。また,巻線間の浮遊容量が支配的になるため,複素インピーダンスは理論に基づくインダクタンス成分の変化が乏しくなる傾向がみられる。このため,1MHz近傍において抵抗値および巻線間の浮遊容量を抑制したセンサを試作した。これらの抑制には感度の低下が避けられず,試料特性によるセンサの複素インピーダンス変化より環境ノイズの方が支配的になる問題が生じたため,2重のコバルト系アモルファスおよび2重のSUSメッシュを組み込み,シールドを強化したクライオスタットを試作した。 液化窒素温度の77.3Kにおける抵抗率・磁場侵入長の同時測定では,試料に0〜60mTの直流磁界を印加し,10kHzおよび1MHzにおけるそれらの特性の差違を前述のインピーダンスマップを用いて検討した。ゼロ磁界では,1MHzにおける交流損失が10kHzによる測定値よりも2桁近く大きな値を持つことを確認した。また,磁界印加による抵抗率および磁場侵入長の増大は,10kHzにおける特性の方が顕著に表れることが示唆された。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] 市川孝道, 中根 央, 山崎貞郎, 佐藤崇志, 吉澤秀治: "An analysis of the properties of a Bi-2223/Ag multi-layered plate samples measured by the SRPM method"Physica C. 372-376. 1148-1151 (2002)