2003 Fiscal Year Annual Research Report
顔に装着した1台のカメラに基づくヒューマンロボットインタフェース
Project/Area Number |
14750370
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西川 敦 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (20283731)
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Keywords | ヒューマンインタフェース / 指差し / 携帯電話 / ウェアラブル / フェイスマウントカメラ / フェイスマウントディスプレイ / 遠隔コミュニケーション / 視界共有 |
Research Abstract |
本研究では、「1台の普通の小型CCDカメラを人間の頭部(顔)に装着する」ことにより、人間から発せられる多様な非言語情報を実時間で認識・理解するヒューマンインタフェースの構築を目指している。昨年度は、「1台のフェイスマウントカメラ+1台の汎用コンピュータ」という簡素な機器構成により、ユーザの注目点(顔の向き)、指示対象(指差し)、指示内容(手振り)といった多様な非言語情報が入力・認識できることを移動ロボットの簡単な誘導実験を通して実証した。本年度は、前年度構築した基本システムを発展させ、「遠隔地にいる人同士の日常的なコミュニケーション」を支援することを目的とした「相互視界共有システム」を新規開発した。 相互視界共有システムはユーザの目の直上に取り付けた超小型CCDカメラ、眼鏡型ディスプレイ、ウェアラブルノートPCから構成され、リアルタイムに相手と自分の視界を相互に切り替えることができることを最大の特長としている。本システムを装着した遠隔地にいる2人のユーザの眼鏡型ディスプレイには、どちらか一方のフェイスマウントカメラ映像と2人の手(一方の手は実画像、一方の手は両者のディスプレイに表示されていない側のカメラ映像から画像処理によって抽出された合成画像)が表示されており、同じ空間内で横に並んで会話する場合とほぼ同じコミュニケーションを遠隔地において実現することができる。システムは完全にウェアラブルであり、ユーザは空間内を自由に移動することができ、現存する携帯電話の延長上に位置するようなシステム構成となっている。提案システムの有効性を検証するため、「離れた場所にいる相手に忘れ物を探してもらう」といったコミュニケーションを、音声による会話のみで行うペア3組と、相互視界共有システムを用いて行うペア3組にそれぞれ行ってもらった。その結果、「探す物体の形状が複雑で、かつ、探す人がその物体についての知識を有していない」といった状況において、本相互視界共有システムは特に有効であることが実証された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 貴島 茂雄, 加藤 朋宏, 西川 敦, 宮崎 文夫: "相互視界共有による実時間遠隔コミュニケーション支援システム"インタラクション2004論文集(情報処理学会シンポジウムシリーズ). Vol.2004,No.5. 217-218 (2004)