2003 Fiscal Year Annual Research Report
インバータ入力を用いた誘導電動機の速度センサレス制御システムの開発
Project/Area Number |
14750380
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
上町 俊幸 仙台電波工業高等専門学校, 助教授 (50280334)
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Keywords | 誘導電動機 / インバータ / 速度センサレス制御 / トルク制御 |
Research Abstract |
本研究では,インバータ入力から誘導電動機の回転速度を推定し,速度制御を行う速度センサレス制御システムの開発を行っている。今年度の研究により,以下の成果が得られた。 1.本システムでは,インバータ入力情報から誘導電動機の回転速度を演算し,制御を行っている。昨年度までのシステムでは,この演算のためにDSP (Digital Signal Processor)を用いていたが,今年度は,ワンチップ・マイコンを用いて構成し,システムの低コスト化をはかった。構築したシステムで実験を行い,ワンチップ・マイコンによる構成でも,昨年度と同等の制御性が得られることを確認した。 2.インバータ入力情報に加え,誘導電動機の効率を用いることで,ある程度の精度で平均トルクを推定することが可能となった。本システムで,この推定トルクを制御するよう構成した結果,定格の40%以上のトルク指令に対し,誤差10%以下の精度で制御が行われ,v/f一定制御で不可能とされてきたトルク制御を実現した。 3.昨年度までのシステムは,インバータ入力から推定した速度を制御する,速度フィードバックループのみで構成されていた。今年度は,インバータ入力からトルクを推定することが可能となったため,速度制御ループの内側にトルクのマイナーループを加えた。実験により800rpmから1200rpmまでの速度ステップ応答を観測した結果,速度制御ループのみで構成された従来法では,応答に0.44s要したのに対し,トルク制御ループを加えたシステムは0.31sで応答した。これにより,過渡応答特性が改善されたことを確認した。また,負荷変動に対しても,速度が指令値に回復するまでの時間が短縮され,良好な結果が得られた。
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Research Products
(1 results)