2002 Fiscal Year Annual Research Report
森林土壌における選択的水みちを考慮した水移動に関する研究
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14750410
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
川本 健 埼玉大学, 工学部, 助手 (50292644)
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Keywords | 森林土壌 / 不飽和浸透 / 選択流 / 現地計測 / 土壌撥水性 |
Research Abstract |
平成14年度は、集中豪雨にともなう斜面崩壊が発生した福島県内の森林丘陵地サイトを選定し、原位置調査・試験、採取試料を用いた室内試験により、以下の二つについての研究を行った。 1)原位置調査による選択流形成の実態把握 2)室内モデル実験による選択流発生メカニズムの解明 具体的に、1)に関しては、原位置試験および採取試料を用いた室内試験より、サイトにおける選択流の発生・形成の主要因は表層土の不均一土壌構造と土壌撥水性の二つからなることが分かった。不均一土壌構造の定量的把握に関する研究は第44回土壌物理学シンポジウム(H14年11月)にて学会発表し、土壌撥水性の評価に関する研究は平成15年度農業土木学会大会講演会(H15年7月)にて学会発表する。また、サイトに土壌水分計測装置を設置し、表層土における水分動態の年間変化を得た。この計測データを用いて原位置の透水性・保水性を評価した。この計測データは次年度原位置散水実験を行うにあたっての基礎的情報として位置付けられる。この成果は第38回地盤工学研究発表会(H15年6月)にて発表する予定である。 2)に関しては、今年度、森林土壌における選択流発生メカニズムを調べるため、室内モデル実験装置の作成を行った。このとき、装置作成は砂質土壌を用いた予備実験の成果を踏まえて行った。予備実験より選択流による水移動形態は、初期土壌水分量や降雨強度によって変化し、特に連続降雨時には選択流の水みち拡大が速やかに生じて、水移動形態が複雑化することを明らかにした。この成果を論文とし、地盤工学会国際会議(2^<nd> ASIAN CONFERENCE on UNSATURATED SOILS、H15年4月)にて報告する。今後モデル実験では、土壌撥水性が選択流発生・土壌構造変化に及ぼす影響、不均一土壌構造が選択流発生に及ぼす影響を調べ、選択流発生のメカニズム解明を行う。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kawamoto, K., Mashino, S., Oda, M., Miyazaki, T.: "Modeling of lateral expanding fingering flow in sandy soils"Proceeding of 2^<nd> ASIAN CONFERENCE on UNSATURATED SOILS. (H15年4月発表予定). (2003)