2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14750414
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
河井 克之 神戸大学, 工学部, 助手 (30304132)
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Keywords | 不飽和土 / サクション / 水分特性曲線 / 締固め曲線 |
Research Abstract |
大半の陸上地盤構造物は,締固め土を材料として施工される.締固め土はその間隙に空気相と液相を含む不飽和土であり,飽和土よりも圧縮指数・透水係数とも小さく,より安全な材料として有用である.しかしながら,降雨や地下水の変動といった外水位の影響を大きく受け,ひずみの蓄積とともに本来の品質を保持し得るかどうかの検討が必要となる.その挙動は,不飽和土特有の応力成分であるサクションの効果を考慮することで表現可能である.近年,不飽和土の応力ひずみ関係,浸透特性ともに研究が進み,不飽和土の力学として体系化されつつあるが,その挙動の複雑さから現場への適用には至っていない.本研究では,締固め土を不飽和土として扱い,既往の不飽和土の研究成果を簡略化し,締固め管理上,有意なものとすることを目的としている。 まず,静的な締固め試験を行い,締固め中の土中内サクション変化および供試体に作用する荷重変化を測定した.その結果,土中サクションは供試体の体積変化に伴う飽和度変化に従って変化,つまり土の持つ水分保持特性に合致するように変化することが明らかになった.また,締固め後の供試体の締固め状態(含水比,乾燥密度)とサクションに相関関係が見られた. 次に,締固め土の圧密降伏応力に着目し,水浸を含まない圧縮試験を行い,上述のように得られたサクションを用いて各供試体の圧縮曲線を比較したところ,従来用いられてきた含水比による整理よりも妥当性が高いという結果が得られた. 以上,得られた知見より締固め曲線から圧密降伏応力を算定する予測手法を開発した.また,ジオシンセティックス補強土の変形強度特性について有限要素解析を行い,この予測手法の妥当性を検討した.
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[Publications] 河井克之: "不飽和土の非排水三軸圧縮試験における変形強度特性および水分特性"土木学会論文集. No.715/III-60. 287-296 (2002)
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[Publications] 河井克之: "水分特性曲線ヒステリシスの表現と不飽和土の応力変化"応用力学論文集. Vol.5. 777-784 (2002)
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[Publications] 河井克之: "不飽和土の力学を用いた締固め土における圧密降伏応力の簡易予測手法"応用力学論文集. Vol.5. 785-792 (2002)
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[Publications] 飯塚敦: "下負荷面弾塑性構成モデルを用いた土/水連成動的FE解析"応用力学論文集. Vol.5. 601-610 (2002)
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[Publications] 飯塚敦: "施工履歴の違いを考慮した人工島の品質評価に対する検討"応用力学論文集. Vol.5. 767-775 (2002)
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[Publications] 河井克之: "締固め土のサクションと圧密降伏応力の関係について"神戸大学都市安全研究センター研究報告. 第6号. 397-408 (2002)