2003 Fiscal Year Annual Research Report
大気海面過程及び鉛直力学・熱力学過程を強化した実用型浅海海洋モデルの開発
Project/Area Number |
14750426
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
大澤 輝夫 岐阜大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80324284)
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Keywords | 海洋モデル / 気象モデル / 大気海面相互作用 / 伊勢湾 / 鉛直渦動粘性係数 / 鉛直渦拡散係数 |
Research Abstract |
メソ気象モデルMM5,海洋モデルPOMを結合して,力学的・熱力学的海面境界過程を考慮したメソスケール大気海洋結合モデルを構築し,夏季成層期の伊勢湾において計算精度の検証を行った.潮位に関しては相関係数が0.96以上,RMS誤差17cm以下という実用レベルの精度が得られた.また,残差流の水平パターンや数日スケールの温度変化のような比較的大きな時空間スケールの現象に対しては,結合モデルの有用性を示すことができた.しかし,1時間毎の瞬間値としての精度は,流速,温度にそれぞれ数〜十数cm/s,数℃の誤差があり,まだ実用レベルの精度には達していない.流速,温度・塩分濃度の鉛直分布の観測値との大きな違いは,上層における鉛直渦動粘性係数・鉛直渦拡散係数の評価に大きな問題があることを示唆した. そこで,密度成層がほぼ鉛直一様になる冬季を対象として,鉛直渦動粘性係数・鉛直渦拡散係数に関する検討を行った.その結果,POMで従来使われているMellor-Yamada型の1.5次乱流モデルでは,リチャードソン数に基づいた1次モデルに比べて,鉛直渦動粘性係数・鉛直渦拡散係数共に過大評価傾向であることがわかった.また,Mellor-Yamadaモデルでは,運動量の鉛直混合が大きいために,エスチュアリー循環が十分に発達せず,高温の外洋水が十分に内湾に入りにくい状況となり,これが内湾水の水温過小評価の一因となっている.この様に,浅海域での鉛直渦動粘性係数・鉛直渦拡散係数の算出法は,局所的な鉛直混合のみならず,内湾全体の循環場に非常に大きな影響を与えることが明らかになった.Mellor-Yamadaモデルのクロージャー定数のチューニングが今後の大きな課題である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ohsawa, T., H.Mizutani, T.Murakami, T.Kobayashi, T.Yasuda, T.Fujiwara: "Development and verification of the coupled atmosphere-ocean model for Ise Bay, Japan"29^<th> International Conference on Coastal Engineering, Sep.19-24, Lisbon, Portugal, ASCE. (発表予定). (2004)
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[Publications] 水谷英朗, 大澤輝夫, 村上智一, 小林智尚, 安田孝志, 藤原建紀: "伊勢湾大気海洋結合モデルの構築とその精度検証"海岸工学論文集. 第50巻. 431-435 (2003)
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[Publications] 大澤輝夫, 伊藤秀文, 水谷英朗, 西部隆一郎, 安田孝志: "成層期における伊勢湾口での海面温度低下と鉛直混合"海岸工学論文集. 第50巻. 46-50 (2003)