2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14750437
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
中山 忠暢 独立行政法人国立環境研究所, 流域圏環境管理研究プロジェクト, 研究員 (30332240)
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Keywords | 長期流出モデル / 集中化 / 物質輸送 / 釧路湿原 / 水分フラックス |
Research Abstract |
北海道釧路川支流の1地点において、鉛直1次元での詳細な土壌水分量を観測することにより、既存の近接地点での降水量データ(弟子屈アメダス)及び地下水位データ(NIES)との比較をとおして、降水量・不飽和層での土壌水分量・飽和層での地下水位、の関連性について評価を行った。また、統合型物理モデルの精度向上及び地下水モデルとの接合を目的として、観測データをもとに不飽和層と飽和層間での水分フラックスについての検討も行った。 土壌水分計プロファイルプローブPR1/6w-02を上記観測地点に設置し、2002年9月〜11月の約3ヶ月間において1時間毎にデータロガー(DATAMARK LS3000PtV)に記録を行った。最終的にデータの回収を行い、以下のようにプロファイルプローブのデータの補正を行った。 (1)スパイク状のノイズや無降雨時の土壌水分量の上昇があれば、除去した。これらのノイズは、すべての深さにおいて同時刻に発生していることから判別することができた。 (2)計器設置時において土壌調査及び土壌サンプリングを行うことによって含水率を求め、プロファイルプローブのデータの補正を行った。 深さ10cmでの土壌水分量は、降水があった時と非常に良く対応していることが明らかになった。特に、日降水量10mm以上のときに深さ10cmの土壌水分量が大きく増加しており、この時には深さ20cm以深においても土壌水分量が増加していた。ただし、地表面から深くなるほど増加量は小さかった。さらに、地表から深くなるほど土壌水分量が増加する時刻が遅くなっている傾向も見られた。鉛直方向への分布については、深さ30〜40cmで土壌水分量が最も少なくなっており、深い地点での水分量ほど地下水位分布と高い相関が見られた(指数関数的)。 以上に述べたような本年度の研究で得られた結果は、次年度以降での集中型モデルの開発及び物質輸送モデルの集中化を行う上で、非常に有意義なものであると考えられる。
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