2002 Fiscal Year Annual Research Report
生物/電気化学複合反応場を利用した単一槽型硝化・脱窒同時処理プロセスの創製
Project/Area Number |
14750456
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
渡辺 智秀 群馬大学, 工学部, 助教授 (60251120)
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Keywords | 生物膜電極 / 高度処理 / 硝化 / 脱窒 / 電気分解 / 水素 / 溶存酸素 |
Research Abstract |
1.メッシュ状不溶性金属電極に多孔性ウレタンを生物支持体として密着させ,硝化細菌と脱窒細菌をそれぞれ充分に付着させた一対の平板状生物膜電極を槽内に設置し,りん酸緩衝液でpH緩衝能を持たせて所定濃度にしたアンモニア性窒素含有水を用い,種々の電流密度および液本体DO濃度条件下で連続実験を行い,硝化と脱窒が単一槽内で進行することがわかった.硝化は,DO濃度0.1mg/L条件でも進行し,電流密度0.3mA/cm^2程度までは,その増大に伴い単位電極面積あたりの速度も増大した.DO濃度が2mg/Lを超える条件になると,通電による硝化速度促進の程度が小さくなった.生成した硝酸性窒素は,陰極の生物膜で電解生成水素を利用して脱窒され,電流密度0.3mA/cm^2程度まではその増大に伴い処理速度が増大したが,それ以上の0.7mA/cm^2までの範囲では大きな変化がなかった.低DO濃度条件では,脱窒速度が大きくなると予想されたが,系内の生成硝酸性窒素濃度が小さく,陰極の生物膜内への移動が律速となるため,DO濃度条件に依らずほぼ同程度の速度であった. 2.電解質濃度が低くpH緩衝能も小さいアンモニア性窒素含有水を用いると,電流密度や液本体DO濃度による硝化および脱窒速度の変化の傾向は上記と同様であったが,電解に伴う電極近傍のpH変化による生物活性への影響を受けやすくなるため処理速度自体は低下し,装置工学的にその対策を施す必要性が示唆された. 3.複数組の生物膜電極を設置し電極面に対する液流れを直角にするflow through系とした処理実験は,多数の生物膜電極の作製に期間を要したため充分に結果を得るまでに至っておらず,今後継続して行う必要があるものの,硝化と脱窒を槽内で進行させることが可能であった.ただし,均一な液流れが確保できる程度に生物膜電極を多孔質にする必要性が示唆された.
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