2003 Fiscal Year Annual Research Report
嫌気好気条件の変化に伴う環境化学物質の微生物分解代謝物の遺伝子毒性の変動
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14750458
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
松下 拓 岐阜大学, 工学部, 助手 (30283401)
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Keywords | 変異原性 / Ames試験 / 微生物分解 / CNP / MEP(fenitrothion) |
Research Abstract |
除草剤CNPや殺虫剤MEPは、湖沼底泥などの嫌気下における微生物分解により変異原性が増加する。本研究では、このように嫌気下で増加した変異原性が、好気下におかれた場合の消長を捉えることを目的として実験を行った。その結果、いずれの農薬も、嫌気下で増加した変異原性は、嫌気状態が継続される場合にはほとんど変動しないことが分かった。このことは、これまでに使用されたこれらの農薬が、嫌気的な湖沼底泥中などに、変異原性を有したまま蓄積されている可能性を示唆する。また、好気状態へと変換された場合、適当な微生物が存在する場合には変異原性が徐々に減少するが、適当な微生物が存在しない場合にはほとんど変動しないことが分かった。このことは、嫌気下で増加した変異原性に大きく寄与する代謝物であるアミノ体(CNP-amino,MEP-amino)が、好気下において化学的には比較的安定であるが、微生物分解により減少することに起因する。ここで、微生物分解によりこれらのアミノ体が安全な物質へと代謝されるとは限らず、変異原性を有する未知代謝物(但し、GC/MSなどの機器分析ではこれらの代謝物はほとんど検出されなかった)へと変換されたことが示された点に注意が必要である。すなわち、GC/MSなどの機器分析で検出可能な物質(CNP,CNP-amino,MEP,MEP-amino)を監視しているだけでは、毒性を有する機器分析が困難な代謝物までを含んだ安全管理ができないことが指摘される。従って、これらの未知代謝物をも含んだ評価が可能なバイオアッセイをリスク管理に導入するべきであろうと提言できる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 松井佑介, 松下拓, 松井佳彦, 井上隆信: "嫌気・好気条件の変化を伴う微生物分解過程でのCNPの変異原性の変動"土木学会中部支部平成14年度研究発表会講演概要集. 647-648 (2003)
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[Publications] 豊田徳一, 松下拓, 松井佳彦, 井上隆信: "MEPの嫌気性微生物分解により増加した変異原性の好気下での消長"土木学会中部支部平成14年度研究発表会講演概要集. 649-650 (2003)
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[Publications] 松井佑介, 松下拓, 松井佳彦, 井上隆信: "農薬の嫌気・好気条件変化に伴う微生物分解過程での安全性の評価"第40回環境工学研究フォーラム講演集. 117-119 (2003)
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[Publications] 佐伯亮, 松下拓, 松井佳彦, 井上隆信: "溶存酸素状態の異なる環境下でのMEP嫌気性微生物分解代謝物の毒性の変動"土木学会中部支部平成15年度研究発表会講演概要集. 611-612 (2004)
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[Publications] 松井佑介, 松下拓, 松井佳彦, 井上隆信: "嫌気下で増加する除草剤CNPの毒性の好気下での消長"第38回日本水環境学会年会講演集. (In press). (2004)