2002 Fiscal Year Annual Research Report
超高層建築における外壁接合部の目地設計法の構築に関する研究
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14750471
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮内 博之 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (40313374)
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Keywords | シーリング材 / 耐疲労性 / 交差目地 / スライド変形 / ロッキング変形 / 曲率半径 / 目地幅 / ムーブメント |
Research Abstract |
本年度は外壁接合部のシーリング交差目地部における変形のメカニズムの解明、及びその隅角部におけるシーリング材に耐疲労性とその改善方法について研究を行った。 1.シーリング交差目地部の曲率半径の大きさ、及び目地幅の大きさを具体的に把握するため、実際の建物において実測調査を行った。その結果、PCカーテンウォールでは、曲率半径2mm以下の物件が90%以上を占めた。金属カーテンウォールについては、曲率半径0mmと4mmの物件が多くみられた。また、目地幅と曲率半径との相関性は見られなかった。 2.カーテンウォールの追従方式であるスライド変形及びロッキング変形による疲労試験を行い、曲率半径と目地幅の影響について調べた。その結果、両方の変形モード共に、曲率半径が0mmの場合、最も早い段階で亀裂が発生し、曲率半径が大きくなるにつれ耐疲労性も増加した。それとともに、目地幅を大きくすれば耐疲労性も向上することを示した。 3.スライド変形の場合、曲率半径rの逆数である曲率(1/r)を横軸の尺度とした場合、曲率半径と亀裂発生回数の関係は、ほぼ直線的関係にあり、曲率半径が小さくなるほど、その径がシーリング材の耐疲労性に与える影響が大きくなることがわかった。 4.縦目地と横目地が同一量変形するロッキング疲労試験結果、曲率半径を大きくすればするほど耐疲労性は向上し、その増加率はカーテンウォールのパネル幅に対するパネル固定値に依存することがわかった。 5.曲率半径と目地幅を変えた場合の耐疲労性の変化を簡便に予測することができる算出図を作成し、シーリング目地設計への基礎資料として提示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 宮内博之, 田中享二: "シーリング目地の交差部の耐剪断疲労性の評価"日本建築学会構造系論文報告集. 522. 7-12 (2002)
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[Publications] 宮内博之, 田中享二: "カーテンウォールのロッキング変形に対するシーリング交差目地の耐疲労性の評価"日本建築学会構造系論文報告集. 554. 9-14 (2002)
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[Publications] 宮内博之, 田中享二: "外壁のロッキング変形に対するシーリング交差目地の耐疲労性の評価"日本建築学会大会学術講演梗概集. A. 227-228 (2002)
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[Publications] 宮内博之, 田中享二: "シーリング材の耐疲労性に関わる目地隅角部の曲率半径の影響"日本建築学会関東支部研究報告集. I. 45-48 (2002)
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[Publications] 宮内博之, 田中享二: "シーリング交差目地部の耐疲労性の評価とその改善方法"日本・韓国建築材料・施工ジョイントシンポジウム. 6. 204-212 (2002)
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[Publications] Hiroyuki Miyauchi, Kyoji Tanaka: "Estimation of the Fatigue Resistance of Sealants to Movement at Inter-sections of Sealed Joints and Improvements in the Joint Design Method"Symposium on Durability of Construction Sealants and Adhesives, ASTM STP 1453. (2003)