2002 Fiscal Year Annual Research Report
鋼部材の使用形態と破壊抵抗性を考慮した必要材料靭性の定量化に関する研究
Project/Area Number |
14750473
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松本 由香 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助手 (70313476)
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Keywords | 建築構造部材 / 脆性破壊 / 亀裂抵抗性 / 必要材料靭性 / 部材形状 / エネルギー吸収能力 |
Research Abstract |
建築構造部材に高靭性鋼材を使用することは,部材の亀裂抵抗性を高め、早期脆性破壊を防ぐ上で有効である。一方,部材の使用形態が多様化する中で、幾何学的条件に応じて必要材料靭性を定量化することは、形状選択、材料選択の自由度を確保する上で重要である。本研究では、十分な亀裂抵抗性を備え、設計時に予見が困難な部材性能の低下を防止できることを、材料に対する必要条件と位置付け、部材形状と必要材料靭性の関係について基礎的データを得ることを目的とする。 亀裂抵抗性及び必要材料靭性に対する直接的な影響因子として、破壊断面に対する多軸拘束が挙げられる。本研究では、490MPa級圧延鋼板からサイドグルーブ・切欠き試験片を製作し、引張破断試験を実施した。切欠き深さ・切欠き先端の先鋭度を変化させ、異なる形状を設定することにより,破壊断面における多軸拘束状態を段階的に変化させた。更に、材料靭性をパラメータとするため、試験温度を複数設定して試験を行った。 部材性能、亀裂抵抗性、材料靭性の指標として、エネルギー吸収能力,脆性破壊に転化するまでに許容される延性亀裂寸法、試験温度、以上3つの変数に着目して試験結果を整理した。その結果、以下の知見が得られた。 (1)形状が同一の場合,あるレベルの亀裂抵抗性が確保されれば、エネルギー吸収能力は飽和する。 (2)試験温度が同一で試験片形状が異なる場合、破壊断面に対する多軸拘束が高いものほど亀裂抵抗性が低下し、必要材料靭性に有意差が生じた。比較的簡便な形状の範囲で、多軸拘束及び亀裂抵抗性の違いを再現できた。 (3)エネルギー吸収能力を飽和させることを必要条件とする場合、必要材料靭性に対する切欠き先端の先鋭度の影響は小さい。
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