2002 Fiscal Year Annual Research Report
オランダ環境共生型都市の近現代・都市形成史に関する研究
Project/Area Number |
14750514
|
Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
坪原 紳二 熊本県立大学, 環境共生学部, 助教授 (80290188)
|
Keywords | オランダ / 交通計画 / ゾーンシステム / 市民参加 |
Research Abstract |
5月12日より23日にかけ、オランダ・フローニンゲン市にて現地調査を行った。公文書館では主に、マイクロフィッシュとして保管されている地元紙の記事を、中心市街地に対する地区土地利用計画(1978年2月市議会決定)、及び交通計画(VCP,1977年9月19日導入)の策定作業が始められる、1974年から調べた。又同市都市計画・経済課、及びフローニンゲン大学空間科学部図書館にて、これら計画書と関連報告書を収集し、複写した。同市都市計画・経済課でにG. Tolner氏より、フローニンゲン大学空間科学部ではG. Ashworth教授、H. Voogd教授より、当時の都市計画についてインタビューを行った。9月からは文部科学省在外研究員としてフローニンゲン大学空間科学部に所属し、上の調査を継続した。特に地元紙の調査については、1978年8月分まで閲覧を終え、上記2計画の策定過程についてはほぼ分析を終えた。2003年1月14日には同学部において研究成果の発表の機会を得、『Planning process of VCP ; In terms of politicization polarization and public participation』とのタイトルで、VCPの策定過程について発表した。VCPは、わが国でほ"ゾーンシステム"と呼ばれる交通計画手法で、一方通行規制により中心部を4セクターに分割し、市がセクター間を移動するには一度環状線に出なければならないようにした。このVCP導入の背景として、ニューレフトと呼ばれる若い政治家が市議会において台頭し、彼らが都市計画の実権を官僚から取り戻したこと、彼らは野党との妥協を排し時には数の力で自らの政策を推進したこと、さらに市民参加については計画の重大さから言えば驚くほど市民が参加する機会は少なく、特に商店主からの激しい反対を押し切る形で導入されたこと、が判明した。
|
Research Products
(1 results)