2002 Fiscal Year Annual Research Report
少子化対策としての保育所(園)・幼稚園等の整備計画手法に関する研究
Project/Area Number |
14750518
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岸本 達也 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (30302532)
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Keywords | 少子化 / 保育所 / 幼稚園 / 施設配置 |
Research Abstract |
わが国の都市は、急速な少子化が進行し、公共サービス側での様々な対応が必要となっている。現在都市部では保育所(園)の慢性的な不足状況にあり、都市部における子育て環境は極めて厳しい状況にある。このような背景から、本研究は、保育関連施設の効果的な施設システム在り方を検討することを目的とし、施設の利用実態と、その地域的な特性を明らかにし、今後に整備すべき施設やそのおよびその配置、サービス・ネットワークのありかたを探ることを目的としている。 14年度は、まず国内では千葉市を対象として、千葉市より情報提供を受けた保育施設の利用実態、利用者へのアンケート調査結果をもとに施設選択要因および保育所評価についてのデータの解析を行なった。アンケート結果の保育所の選択理由、立地希望等の合計約20項目から定性分析を行い、さらに以下のように地理的情報を加えた定量的分析を行なった。具体的には自宅と保育所間の利用距離の分布から、保育施設ごとの吸引力を推定し、保育所選択モデルのパラメータ推定を行ない、施設選択モデルを検討した。さらに、保育所選択の最適化モデルを検討し、シミュレーション結果と、現状の利用実態との比較検討を行なった。勤務地や交通手段を考慮に入れたより精緻な保育所選択モデルと利用圏のモデルを構築していくことが課題として残された。海外の事例調査としては、米国ニューヨークを訪問し、マンハッタンの業務地区の保育所を訪問し、ヒアリング調査を行ない、意見交換を行なった。マンハッタンの保育施設は郊外からの通勤者と、現地の居住者、それぞれの家庭の子供について保育サービスを提供しており、その比率が約半々である。オフィスビルの1・2階に間借りしているケースが多いが、児童一人当たりの保育者数は日本に比べて多く、多様なかつレベルの保育サービスが提供されている。
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