2002 Fiscal Year Annual Research Report
東京の公的賃貸集合住宅団地・桐ケ丘団地の建替えに関する研究
Project/Area Number |
14750521
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
灰谷 香奈子 早稲田大学, 理工学部, 助手 (70339711)
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Keywords | 都市計画 / 東京圏 / 郊外 / 住宅団地 / 桐ケ丘団地 / 建替え |
Research Abstract |
桐ヶ丘団地は、昭和29年に建設が始まった。6000戸を抱える大規模団地(都営住宅)であり、高齢者が25%を越えている。現在、24カ年計画で立て替え事業が進行中である。そのため、1)改修前住棟、2)一時的改修住棟(10年をめどとした改修)、3)立て替え後高層住宅、4)工事中用仮住まい住棟が併存しており、住民は様々な住環境の変化に直面している。 住民にとっての問題点:1)高層住宅に入居するまでに、仮住まい住棟への引っ越しを含め、2回の引っ越しが必要である。経済的、精神的な負担が大きく、仮住まい住棟に留まる事例が多く出ている.2)高層住宅自体に適応できない。地上から離れており、引きこもりがちになる他、住戸の天井が低いことに拒否反応がある.3)14会あった自治会は、活動の縮小が著しく、崩壊している事例もある.また。自治の権限が大幅に減少している。 これらの問題について、高齢者の高層住宅への適応、自治会活動の維持、活性化の可能性など、引越、近所づきあいを含めた新しい住環境への適応方法をさぐりつつ、自治会の協力を得ながら調査を進めている。 一方、立て替え事業における問題点もある。1)一時的改修工事(住戸のバルコニー部分に部屋を増築、他)が行われているが、既存の部屋の窓をつぶすため、各住戸の住環境がある面では悪化しているといえる.2)仮住まい住棟に留まる事例、高層棟への入居を拒否等より、立て替え事業が計画通りに進行していない。3)地域のまちづくりの核のひとつとなるよう、高齢者施設などが設けられているが、地域に開かれれた活動内容になっていない、等が挙げられる。 これらの問題について、入居者の要望、地域の要望を広く聞き、新たな地域の関係をつくるなかで、立て替え、住み替えがスムーズに進むと同時に、地域にとってまちづくりの核となるべく方策を提案していきたい。
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