2002 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナム・ホーチミン市の都市形成に関する基礎的研究
Project/Area Number |
14750530
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大田 省一 東京大学, 東洋文化研究所, 助手 (60343117)
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Keywords | ベトナム / ホーチミン市 / 植民地都市 / 都市形成史 |
Research Abstract |
本研究は、ベトナム・ホーチミン市(サイゴン)の都市形成過程の特徴を解明することを目的としている。ホーチミン市は現在ベトナム最大の都市て発展を続けているが、基本的な都市構造は植民地期初期のプランを現在にまで引き継いでおり、開港地の都市形成を考える上で貴重な事例となるものである。本研究では既往研究の概説的通史を乗り越えるために、具体的な街区を事例として取り上げ、詳細な調査を企図した。 今年度は、史料調査、建築実測調査を実施した。史料調査は、フランス、ベトナムにて行い、植民地期の都市形成関連文書を収集した。建築実測調査では、ホーチミン市中心部の街区を取り上げ、当該街区の全家屋を実測し、住民へのインタビュー調査も実施した。調査対象地として選定した街区は、旧サイゴンの中心部に位置しながら、開港当初の街区構造を残し、当時の建築物が多く残っている地区である。 調査の結果、開港当初より都市計画に従って街路が建設され、それが現在でも都市の基本構造として受け継がれていること、街区ブロック内では、一定モジュールに従った住戸を多数建設することで、面的土地所有による不動産開発に適した構造となっていることが判明した。 今後、史料調査では地図・建築図面とともに、関連法規や市政報告書の調査を進める。現地調査では、街区実測調査を引き続き実施する。併せて関連学会での発表も行う予定である。
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Research Products
(1 results)