2002 Fiscal Year Annual Research Report
南米ブラジル日系移民の住空間における文化的側面から見た変遷要因に関する研究
Project/Area Number |
14750538
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Research Institution | Miyagi National College of Technology |
Principal Investigator |
熊谷 広子 宮城工業高等専門学校, 建築学科, 助手 (10300518)
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Keywords | 香山六郎回想録 / 住居 / 生活 / 伯刺西爾時報 / 婦人欄 |
Research Abstract |
本年度は移民体験記「香山六郎回想録」における住生活に関する記述の整理と、第2次世界大戦以前にブラジルにおいて発行された邦字新聞「伯刺西爾時報」(1917年発刊〜1941年廃刊)の1917年から1928年までの記事の調査とを行った。当初の予定では調査対象として「日伯新聞」を予定していたが、閲覧の結果、移住者およびブラジル人の生活や移住地に関する記事がより多く掲載されている「伯刺西爾時報」を対象として調査を行った。 香山六郎回想録では、第一回の移民船笠戸丸で渡伯した香山自身のブラジル国内での移動に至る経緯とその移動先での生活とが記されている。また彼自身は通訳として渡伯しており、移住者たちに同行して留まった耕地の様子や、そこでの移住者たちの生活ついても記述されている。分析にあたって、回想録に記載されている移動先毎にそこでの住居、住居内の様子、居住者、行事、周囲の状況を整理した。この作業を通じて初期日本移民の配耕先の耕地、コロニア、及び都市での住まいと生活そして彼等が接触し得たブラジル人の住まいと生活のタイプが浮かび上がってきた。 伯刺西爾時報については、8月10日から10月4日にかけて、サンパウロ日本移民史料館において記事の収集を行った。収集したのは、日常生活や家庭に関する記述の多く見られる婦人欄(1917年から24年まで継続的に、その後26年まで断続的に連載されている)のほか、主にブラジルでの生活、習慣、風俗、行事に関する記事、そして移住地、土地、大工に関する広告である。現在それら記事の分類を行っている。
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