2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14750545
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
菜嶋 理 東北学院大学, 工学部, 講師 (00265183)
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Keywords | 強磁性形状記憶材料 / 超磁歪 / アーク熔解法 / 焼結法 |
Research Abstract |
本年度の我々の研究目的はMnCo_<1-x>Geの強磁性形状記憶合金としての可能性を探ることである。強磁性形状記憶合金の必要条件はキュリー温度以下に熱弾性型のマルテンサイト変態を生じることである。MnCoGeはキュリー温度より数百K高い温度で高温相Ni_2In型から低温相TiNiSi型へのマルテンサイト変態を生じるが、以前の我々の研究によりこの試料からCoを抜いていくと急激にマルテンサイト変態温度が低下することが予想されている。そこでMnCo_<1-x>Geのx=0からx=0.3までの各種組成で多結晶試料を作製し、磁性と結晶構造を調べた。その結果、以下の事実が明らかになった。(1)アーク熔解法にて作製した試料と焼結法で作製した試料ではマルテンサイト変態温度が著しく異なることが分かった。基本的に、焼結法による試料は全温度域で高温相のままであり、Mnを1割ほど過剰にすることによりアーク熔解による試料と同程度の温度でマルテンサイト変態するようになった。この原因については現在検討中である。(2)アーク熔解法にて作製したx=0.07付近の試料において、我々の予想通りキュリー温度以下にマルテンサイト変態が生じることを結晶構造解析により確認した。また、このマルテンサイト変態が熱弾性型であることも確認した。(3)上記のx=0.07付近の試料において、低温相と高温相の格子体積の変化率が4%以上にも達することが明らかになった。仮にこの変化を磁場によって制御できたとすると、現在超磁歪材料としてひろく用いられているTerfenol-D (Tb_<0.3>Dy_<0.7>Fe_2)と比較して10倍もの値が期待できることになる。
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