2002 Fiscal Year Annual Research Report
内部電極の卑金属化による次世代積層セラミックスコンデンサの開発
Project/Area Number |
14750567
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
日野 孝紀 新居浜工業高等専門学校, 材料工学科, 助手 (10332074)
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Keywords | セラミックコンデンサ / 内部電極 / 焼結特性 |
Research Abstract |
Cu微粉末を添加したBaTiO_3粉末の焼成は、強誘電相である正方晶BaTiO_3が得られる1000℃で行った。まず複合体を大気中で焼結した場合、10wt%で非常に大きな収縮が認められた。これはCuの酸化熱によってBaTiO_3の焼結が進行したためであり、この時の破面は、BaTiO_3粉末のみを焼成した場合に比べ著しく焼結が進行していた。BaTiO_3粉末へのCu粉末の混合量が多くなるとともに酸化銅の生成による膨張が認められた。密度は、Cu粉末の添加および収縮の増加によって上昇したが、Cu粉末の添加量が増加すると過剰な酸化熱の発生によって、BaTiO_3粉末が過焼結を生じたため見かけ上、密度がほぼ一定となった。一方還元雰囲気中の場合、Cuの添加量にかかわらず収縮量はほぼ一定であった。これは、Cu粉末間にBaTiO_3粉末が分散しているため収縮が抑制されているためであった。誘電率は、Cuの添加量に伴い誘電率が上昇しており、1kHzで測定した誘電率は、大気中で焼結した場合、Cuを40vol%添加し時に最も大きく約8000であった。還元雰囲気中の場合、20vol%添加した時に最も大きく約1600であった。高分子へのAg粒子の添加、BaTiO_3へのNi粒子の添加において誘電体中への導電粒子の添加量と誘電率の関係が得られているが、本研究においても同様な結果が得られた。しかし、導電性が高いCuを分散させた場合より、酸化され半導体化した酸化銅が分散しているほうが高い値となった。これは、粒界絶縁タイプのBLコンデンサのような効果で見かけ上の誘電率が上昇したと考えられる。 Cu-BaTiO_3複合体において、焼成時の収縮挙動及び反応性、添加量と誘電率の関係について検討できた。しかし温度特性に関する評価については、現在研究中である。また、積層した状態での誘電特性の評価を現在検討している。
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