2002 Fiscal Year Annual Research Report
樹脂の表面改質を利用した磁性ナノ粒子分散ポリイミド薄膜の調製と物性
Project/Area Number |
14750579
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
赤松 謙祐 甲南大学, 理工学部, 講師 (60322202)
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Keywords | ポリイミド樹脂 / 磁性ナノ粒子 / コンポジット / 表面改質 |
Research Abstract |
本年度は、ポリイミド樹脂の化学処理による表面改質を利用して、イオン交換反応による金属イオンのドープおよび還元処理により調製される磁性ナノ粒子分散薄膜を対象とし、薄膜の構造を決定する因子を特定し、反応条件の最適化を試みた。その結果、改質される樹脂の深さ(厚み)は、水酸化カリウム水溶液の濃度、時間および改質時の温度を変化させることによって任意に制御できることが明らかとなった。また、後続のイオン交換反応時におけるニッケルおよびコバルトイオンを含む水溶液の濃度およびpHを変化させることによって、改質層中にドープされる金属イオン量を制御できることが明らかとなった。さらに、樹脂中の金属イオンの深さ方向分布も同時に制御することができた。 以上の知見をもとに、水素還元処理により形成する磁性金属ナノ粒子分散薄膜の微細構造制御を試みたところ、加熱還元処理温度の上昇とともにナノ粒子サイズは増大し、平均粒子径をナノメートルサイズで制御できることが明らかとなった。磁気特性測定の結果、得られた複合体は室温では磁性ナノ粒子特有の超常磁性を示した。また加熱処理と同時に、改質された樹脂は再びイミド環を形成しポリイミド樹脂に戻ることから、本手法は高機能ポリイミド樹脂に磁性ナノ粒子が均一に分散した複合体を効率よく合成することが可能であり、さらに微細構造をナノメートルオーダーで制御できることがわかった。 以上の成果は国内学会にて発表を行い、微細構造制御に関してまとめた論文をEuropean Physical Journal D誌に投稿し受理され、現在印刷中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Akamatsu, K.Nakahashi, S.Ikeda, H.Nawafune: "Fabrication and structural characterization of nanocomposites consisting of Ni nanoparticles dispersed in polyimide films"European. Physical Journal D. (印刷中).