2002 Fiscal Year Annual Research Report
アルミナ拡散防止中間層を含む作製容易なニオブ基合金用耐酸化コーティングの開発
Project/Area Number |
14750581
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
村上 敬 独立行政法人産業技術総合研究所, 機械システム研究部門, 研究員 (40344098)
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Keywords | 放電プラズマ焼結法 / 拡散防止中間層 / ニオブ基合金 / 耐酸化コーティング / Mo(Si,Al)_2 / Nb_3Si_5Al_2 / アルミナ / 有限要素法 |
Research Abstract |
ニオブ基合金は高融点で、高温強度に優れていることから、将来の超高温用構造材料として期待され、研究されている。このニオブ基合金の耐酸化性は1000℃以上で非常に悪いため、高温大気中で使用する際は耐酸化コーティングが必要となる。しかし、コーティング層と基材間の熱膨張係数の差からクラックが形成されたり、基材との相互拡散によるコーティング層の劣化が起きやすいため高温大気中で長時間使用可能なコーティングは未だに開発されていない。本研究では、(1)ニオブ基材の上に耐酸化性に優れるMo(Si,Al)_2、NiAl、Cr添加Nb(Si,Al)_2、B添加Mo_5Si_3粉末を直接のせ放電プラズマ焼結結合を行う、(2)(1)の粉末とニオブ基材間にAl箔を挟み、放電プラズマ焼結接合を行う、の二通りの方法でニオブ基材へのコーティングを試みた。その結果、(1)について、B添加Mo_5Si_3層のみがニオブ基材に密着することが分かり、さらにコーティング層と基材間の熱膨張係数の差を小さくするためB添加Mo_5Si_3層に5wt%SiO_2を添加するとコーティング層中にクラックが形成されにくくなることが分かった。またMoSi_2-SiO_2/B添加Mo_5Si_3-SiO_2二層で全面コーティング(コーティング層厚さ約100μm)したニオブ基材(外径5mm、厚さ3mm)の耐酸化性を調べたところ、乾燥空気中1200℃〜1400℃で50hr保持しても、コーティング層の剥離、基材の内部酸化が全く起こらないことが分かった。今後減圧プラズマ溶射法などを取り入れながらさらにサイズの大きい基材のコーティングを試みる予定である。また(2)について、すべてのコーティング層はニオブ基材に密着したが、拡散防止機能が期待できるアルミナ中間層はMo(Si,Al)_2粉末を用いたときのみ形成され、他の場合は金属間化合物層が形成されることが分かった。この原因については今後検討する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 村上敬, 伊藤和博, 山口正治: "Nb-Si-X (X:B,Cr,Al)系金属間化合物の放電プラズマ焼結-耐酸化性とコーティング皮膜への応用-"まてりあ. 41-6. 432-439 (2002)
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[Publications] 村上敬, 佐々木信也, 伊藤和博: "Oxidation behavior and thermal stability of Cr-doped Nb(Si,Al)_2 and Nb_3Si_5Al_2 matrix compacts prepared by spark plasma sintering"Intermetallics. 11-3. 269-278 (2003)