2003 Fiscal Year Annual Research Report
有機溶媒中での酵素反応に適した酵素固定化用両親媒性粒子の開発
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14750617
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
安田 昌弘 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40264808)
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Keywords | 両親媒性官能基 / 両親媒性粒子 / 固定化酵素 / シード重合 / ポリエトキシ基の重合度 / マクロモノマー |
Research Abstract |
本研究は,有機溶媒中で安定かつ高活性な固定化酵素を作製するための担体,すなわち機能性両親媒性粒子の開発手法を確立することを目的とした。 申請者は,これまでに,メタクリル酸を2-[(p-1,1,3,3-テトラブチル)フェノキシポリエトキシ]エタノールによりエステル化することによって,ポリエトキシ基の重合度nが1.5から70.5の2-[(p-1,1,3,3-テトラブチル)フェノキシポリエトキシ]エチル基(tert-C_8ΦE_n基)を有するモノマー(MAX-n)を合成するとともに,クロロホルム中の溶液重合におけるMAX-nの重合特性を調べた。さらに,MAX-nを用いたシード重合における官能基の導入量を制御するため,シード粒子中におけるマクロモノマーと低分子量モノマーのシード共重合を相関できるモデルを構築した。 本年度は,スチレン,ジビニルベンゼンおよびMAX-nのシード共重合を行い,両親媒性粒子を合成し,リパーゼの固定化を検討した。MAX-nを用いて合成した両親媒性粒子であるSDMX-n粒子(nはポリエトキシ基の重合度)のnの値が1.3から16までは,nの値が大きくなるにつれ,粒子に導入されるMAX-n量は増加する傾向にあり.最もMAX-nの導入量の多かったSDMX-16粒子については,モノマー中のMAX-n量に対して約1.2倍のMAX-nが粒子に導入されていることがわかった。一方,nの値が16以上では,nの値の増加とともに粒子に導入されるMAX-n量は減少することがわかった。 次に,MAX-nのポリエトキシ基の重合度nが固定化リパーゼの加水分解活性に及ぼす影響を調べた。ポリエトキシ基の重合度が1.3から16までは,ポリエトキシ基の重合度が大きくなるにつれ固定化リパーゼの加水分解活性は増加する傾向か見られたが,nの値が16のSDMX-16粒子を用いて作製した固定化リパーゼの加水分解活性が最も高いことがわかった。しかしながら,ポリエトキシ基の重合度が16以上では,重合度の増加とともに加水分解活性が減少した。
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