2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規ゼオライト/メソポーラス物質担持複合型硫化物触媒の調整
Project/Area Number |
14750627
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
久保田 岳志 島根大学, 総合理工学部, 助手 (90304253)
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Keywords | メソポーラス物質 / 水素化脱硫 / Co硫化物触媒 / 細孔構造 / チオフェン / XAFS |
Research Abstract |
計画に従い,含浸法およびCVD法によりHDSに高清性であるCo/メソポーラス物質触媒を調整し,硫化物融媒のHDS活性や局所構造について検討した. 担持Co/USY触媒は含浸法によって調製した.USYゼオライトの酸量は,Naでイオン交換することによって制御した.硫化処理は673Kにて硫化水素と水素の混合ガスを流通して行った.ベンゾチオフェンのHDS反応は流通式反応装置を用いて623Kにて行った.HDS活性はベンゾチオフェンの転化率によって評価し,溶媒に用いたデカリンの異性化反応および分解反応の活性についても検討した.触媒のアンモニアTPDスペクトルの測定も行った. Co/USY触媒のHDS活性のCo担持量依存性から,Naでイオン交換したUSY(USY-Na)にCoを2-5%担持した触媒では,約55%のベンゾチオフェン転化率を示すが、10%の担持量では逆に活性は低下することがわかった.また,Coを担持した触媒では,溶媒であるデカリンの異性化および分解反応も進行したが,やはり10%の担持量では逆に活性は低下した.これらの反応はUSY-Naのみでは活性を示さないことから,担持したCoが活性を示すと考えられる.さらにUSYの酸点を酢酸Naでイオン交換し,酸性の制御を行うと,酸点の減少によってデカリン分解活性の低下が見られたが,HDS活性は影響を受けなかった.また、アンモニアTPDの測定結果から,Naでイオン交換していないUSYでは高温部に酸点に対応するピークが存在するが,Coを担持することによって、その強度は著しく減少することがわかった.また,XAFS測定から,USYの酸量の増加に従って、Coがよりcationicになるという結果が得られた.これらの結果から,CoがUSYの酸点と相互作用していることが見いだされた.
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