2002 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質の構造異常に関わるストレス応答ダイナミクスの評価
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14750637
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
島内 寿徳 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (10335383)
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Keywords | ストレス応答 / リポソーム / 誘電分散計測 / 構造異常性 / ストレスセンサ / アミロイド / タンパク質 / 分子間相互作用 |
Research Abstract |
生細胞と同様のストレス応答挙動を示す「リポソーム」とは、生体由来の両親媒性分子により自発的に形成される細胞様の秩序構造であり、脂質二重膜・超分子集合体である。その母体になる二分子膜構造は主として脂質分子疎水性鎖間の疎水結合により形成され、柔軟な構造をもち、表面における変性タンパク質との相互作用・リフォールディング、物質透過の制御、生体分子の可溶化などの生体膜に類似した重要なストレス応答機能を有する。平成14年度では、主としてストレス条件下で変性したタンパク質と、脂質二重膜・超分子集合体との静的・動的な相互作用に関する定量的な知見を蓄積し,誘電分散解析による膜界面のミクロ構造を解析・評価し,タンパク質との相互作用を多角的に評価することに成功した. (1)脂質膜(リポソーム)をセンサ素子とし、ストレス負荷条件での変性タンパク質との相互作用解析から、モデル細胞へのストレスを誘電率変化より評価した。このとき細胞膜誘電率・流動性動的解析システム(高感度インピーダンスアナライザー)を用いて、誘電率の周波数特性(誘電スペクトロスコピー)の高速・高精度・非定常測定に関するシステムを開発した。これにより従来法では定量的な評価が困難であった、ストレス条件での脂質膜と変性タンパク質との相互作用を解析する事が可能となった。 (2)ストレス条件下で示す脂質膜・タンパク質の動的・非定常の応答得特性をデータベース化し,ストレス条件下で二次構造が特異的に変化するタンパク質を中心に,データを体系的・定量的に評価した.その結果,本データベースの量的拡充により,多変量解析に基づいて,タンパク質の構造異常性・アミロイド性の予測への展望を拓いた. 次年度は,特に,(2)について詳細に検討を進める予定である.
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Sakurai K., et al.: "Novel Array-Type Gas Sensors Using Conducting Polymers, and Their Performance for Gas Identification"Sens. Actuat. B Chem.. 83巻. 270-275 (2002)
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[Publications] Menayame, M.F., et al.: "Characterization and Control of Stimuli-Induced Membrane Fusion of Liposomes in the Presence of Proteins and Stimuli Responsive Polymers"Biochem. Eng. J.. 12巻. 7-19 (2002)
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[Publications] Menayame, M.F., et al.: "Evaluation and Control of Interaction between Liposome Membranes Induced by the Stimuli Responsive Polymers and Proteins"J. Biosci. Bioeng.. 93巻・5号. 498-501 (2002)
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[Publications] Menayame, M.F., et al.: "刺激応答型リポソーム膜融合現象の評価"化学工学論文集. 28巻・4号. 481-484 (2002)
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[Publications] Jung, H.-S., et al.: "Novel Fabrication of A Conductive Polymers Containing Micro Array Gas Sensitive Film By Using A Micromanipulation Method"Electroanalysis. (in press). (2003)
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[Publications] Morita, S. et al.: "Detection of Heat Stress Mediated Interaction between Protein and Phospholipid Membrane Using Dielectric Measurement"J. Biosci. Bioeng.. (in press). (2003)
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[Publications] 島内: "タンパク質の構造異常・アミロイドーシスとそのセンシング"ケミカルエンジニヤリング. 4 (2002)
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[Publications] 鄭: "ストレス応答型バイオプロセスのためのストレスセンサの開発"ケミカルエンジニヤリング. 4 (2002)
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[Publications] 島内: "タンパク質の構造異常化によるストレス誘導型アミロイドーシス"分離技術. 5 (2002)