2003 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質の構造異常に関わるストレス応答ダイナミクスの評価
Project/Area Number |
14750637
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
島内 寿徳 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (10335383)
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Keywords | リポソーム / ストレス・センサ / メンブレン・ストレスバイオテクノロジー / タンパク質 / 構造異常 / アミロイドーシス / 誘電分散解析 / ナノバイオ・チップ |
Research Abstract |
本申請課題では,次世代型ナノバイオチップによるタンパク質のストレス応答ダイナミクスの解析・構造異常性の機構解明を目指す.そのため,以下の項目に分けて検討した. 1.リポソームのナノバイオチップへの応用 リポソームの誘電分散解析を行ない,数10MHz付近に現われる誘電緩和がリン脂質分子の軸回転運動,ならびに脂質膜の流動性に対応することがわかった.この緩和特性とリポソームの膜特性((i)膜流動性,(ii)電荷密度,(iii)面・局所的疎水性)との間に対応関係を見出すことができた.さらに熱・pHなどのストレス条件下での誘電特性を評価し,リポソームのストレス応答特性データベース化を行なった. 2.タンパク質のストレス応答の評価 タンパク質をセンサ素子であるリポソームと共存させると,リポソームの緩和周波数の変化が認められた.リポソームの膜特性を表す緩和周波数の変化から,相互作用している各種タンパク質の変性/巻き戻り過程・多量体化・二次構造の変化の過程に関する情報をon-lineで得ることができた.また,1.で得たデータベースに基づき,電解質封入リポソームを固定化した電極を作成し,タンパク質との相互作用で誘導される電解質の漏出を電気化学的に計測することで,多変量解析によるパタン解析への展開の可能性も示す事ができた.タンパク質の構造状態を解析することができた.これらの手法を併用することで,れゆえ,生体膜上でのアミロイド性タンパク質の構造異常化に関するオンラインモニタリングの可能性を示す事ができた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.-S.Jung et al.: "Characterization of the Surface Properties of Chitosanase under Heat Stress Condition using Aqueous Two-Phase Systems and an Immobilized-Liposome Sensor System"Solv.Extr.Res.Dev.Japan. 10. 123-132 (2003)
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[Publications] H.-S.Jung et al.: "Novel Fabrication of Conducting Polymers Contained Micro-Array Gas Sensitive Films Using a Micromanipulation Method"Electroanalysis. 15・18. 1453-1459 (2003)
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[Publications] 久保井 亮一ら: "固定化リポソームクロマトグラフィーによる生理活性物質の分離・分析"日本分析化学会(ぶんせき,2003年11号). 8(636-644) (2003)