2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14750642
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
青柳 里果 成蹊大学, 工学部, 助手 (20339683)
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Keywords | 免疫測定法 / 蛍光発光 / 非分離免疫測定法 / タンパク質 / 抗原抗体反応 / プロテインA / 免疫グロブリンG / FITC |
Research Abstract |
免疫測定法の中でも原理的に単純な非分離法は不均一系で実用化されていない。そこで、固定化蛍光標識試薬を用いた系への非分離法の応用を検討している。モデル試料として免疫グロブリンG(IgG)を選び、FITC標識プロテインAをアミノシラン化ガラスに固定化した試薬を用いて、非分離法の一つである蛍光増強法でIgGを定量した。FITCは蛍光増強免疫測定法に用いられる蛍光試薬ではないが、プロテインAとIgGの反応によって疎水的雰囲気が生じ、蛍光強度が増大する。本研究では、固定化基板をガラスとした系において、試料中のIgG濃度と蛍光発光強度との関係を検討し、共存物質の影響も調べた。さらに応答時間の短縮化を目指して、非定常状態め測定を試みた。IgG濃度10-50μg/mlの範囲では、約40分間で、全濃度において蛍光強度は定常に達する。そこで、より迅速な応答を目指し、蛍光増強の経時変化率(初速度)を用いたIgG定量を試みた。 IgGのみを含む溶液をこのシステムで測定した場合は、IgG濃度に応答してFITC標識プロテインA固相化試薬の蛍光強度は増強した。一方、プロテインAと結合性のないHSA溶液と反応させ、同様に蛍光強度と濃度の関係を調べた結果では、HSA濃度が変化しても蛍光強度はほとんど変化しなかった。したがって、この蛍光増強は、プロテインAと結合したタンパク質によってのみ引き起こされていることが分かる。さらに、各濃度のIgG溶液を測定した結果から、IgG濃度が大きいほど、蛍光増強も速く、大きくなることが示された。そこで、初めの5分間の蛍光強度の経時変化から、蛍光強度経時変化の初速度を求め、IgG濃度との相関を検討した結果、IgG濃度10〜50μg/mlの範囲で有効な相関が得られた。したがって、蛍光増強法を利用した測定で、非定常測定によって、数分以内の迅速測定が可能であることが示された。
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Research Products
(1 results)