2004 Fiscal Year Annual Research Report
抗体固定化ポリマーのゲル化を検出原理とした新規イムノアッセイ法の開発
Project/Area Number |
14750646
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宗 伸明 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (90336008)
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Keywords | 抗体 / ポリマー / イムノアッセイ / ゲル / 蛍光 / コンジュゲート / 蛍光共鳴エネルギー移動 |
Research Abstract |
本年度は、抗体固定化ポリマーを用いた新規イムノアッセイ法の開発として、1)蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を利用した手法の検討、2)場感受性蛍光プローブを利用した手法の詳細な性能検討、を行った。まず1)に関して、前年度までに合成した抗ヒトIgG抗体固定化ポリマーにFITCあるいはTRITCを標識した二種の抗体固定化ポリマーを合成し、これらの存在下において抗原であるヒトIgGを添加したが、予測したFITCからTRITCへのFRETの誘起は観測されなかった。これは、抗体への蛍光基修飾量が少なかったことや抗原のサイズが大きいこと等により両蛍光基が十分に接近できなかったことが原因であると考えられる。以上の結果から、1)の手法が抗体固定化ポリマーを用いたイムノアッセイ法としては不向きであることが示唆された。一方2)に関しては、場感受性蛍光プローブとしてCCVJを用い、前年度までの知見を基にして、更に詳細な検討を行った。まず本手法で用いる抗体固定化ポリマーの抗原認識能を確認するため、表面プラズモン共鳴(SPR)測定を行った。抗原を固定化したSPRセンサチップ上に抗体固定化ポリマーを送入した場合、抗体固定化ポリマーがセンサチップ上を通過するのに対応してSPR角度の上昇が観測され、抗体固定化ポリマー中の抗体が抗原認識能を保持していることを確認できた。次に2)の手法の選択性を検討するため、抗ヒトIgG抗体固定化ポリマーとCCVJの存在下でウサギIgG(40-160μg/mL)を添加した。その結果、抗原であるヒトIgG(40-160μg/mL)を添加した場合と異なり、有意な蛍光強度の増大は観測されず、本手法の選択性が示唆された。従って、本研究で開発した抗体固定化ポリマーと場感受性蛍光プローブを利用したイムノアッセイ法は、新しい有用なイムノアッセイ法として期待できると考えられる。
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Research Products
(5 results)