2002 Fiscal Year Annual Research Report
シクロデキストリン骨格へのスペーサー挿入による新規ホスト分子の開発と分子認識能
Project/Area Number |
14750668
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木田 敏之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20234297)
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Keywords | シクロデキストリン / 芳香族スペーサー / 挿入 / グルコシド結合開裂 / ゲスト包接 / 会合定数 |
Research Abstract |
完全メチル化α-CDのグルコシド結合の一点開裂反応と続く芳香族ジカルボニルジクロライドまたは芳香族ジメチレンジアイオダイドを用いての再環化反応によりその環骨格に芳香族スペーサーを挿入した新規環状ホスト分子が効率良く合成できることを見い出した。分子力場計算(MM2)によりこれらのホスト分子の最適化構造を算出したところ、挿入するスペーサーの種類により様々な環構造をとることがわかった。このうち、p-キシリレンスペーサーをもつホスト分子は完全メチル化β-CDとほぼ同じサイズの環サイズをもつことがわかった。合成したホスト分子の重水-重メタノール(4:1)溶液に,4-ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム(4-NBS)を添加すると、ホスト分子の芳香環プロトンとともに糖部分のプロトンのNMRシグナルが高磁場シフトし、4-NBSがホスト分子の空孔内に包接されることが明らかとなった。また、この4-NBSに対しては合成したホスト分子間で包接能にほどんど差が認められなかったが、3-ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム(3-NBS)や2,4-ジニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム(DNBS)に対しては挿入するスペーサーの種類や結合様式の違いにより、包接能が大きく異なった。特にp-キシリレンスペーサーをもつホスト分子は、ほほ同じ環サイズを持つ完全メチル化β-CDよりもDNBSに対して高い包接能を示したことから、挿入した芳香族スペーサーがDNBSとの包接錯体形成に効果的に働いていることがわかった。
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Research Products
(1 results)