2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規シクロデキストリン二量体の合成及びそれを用いた閂型ロタキサンによる情報発信
Project/Area Number |
14750673
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
石丸 雄大 埼玉大学, 工学部, 助教授 (30261879)
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Keywords | シクロデキストリン / ロタキサン / 超分子 / 機能性化合物 / 情報発信素子 / DNA / 包摂化合物 / 核酸 |
Research Abstract |
研究課題である擬似ロタキサン構造体を構築する上で必要不可欠なシクロデキストリン二量体として、二位二級水酸基と六位一級水酸基が直接結合した新たな化合物の合成に世界に先駆け成功した。この合成方法を用いると一般に入手しやすい3種類のシクロデキストリンから類似構造を持った様々なシクロデキストリン二量体が合成できることを明らかにした。今年度は、六位水酸基をトシル化したγ-シクロデキストリンとα-シクロデキストリンモノオキシアニオンとの反応によりγ^6,α^2-ヘテロジニアスシクロデキストリン二量体(1a)が合成できることおよびその構造決定を主に行った。あわせて異性体であるα^2,γ^6-ヘテロジニアスシクロデキストリン二量体(1b)を、六位水酸基をトシル化したα-シクロデキストリンとγ-シクロデキストリンモノオキシアニオンとの反応により行った。合成した化合物の精製には今年度導入したHPLC(逆層カラム使用)により展開溶媒を水から水:アセトニトリル9:1に変化することにより、効率良く単離できることを明らかにした。各々の構造決定はTof-Massスペクトルの結果から(1a, b)ともに同じ分子量(m/z=2276[M+Na]^+,C_<84>H_<138>O_<69>Na=2274.4)であることをまず確認した。また、^<13>C NMRの測定結果から、得られた化合物がシクロデキストリンの二位二級水酸基と六位一級水酸基間で直接結合していることが、置換されたグルコース炭素のケミカルシフト変化から明らかになった。次に、これらの化合物の機能評価をSodium6-(4-t-butylanilino) naphthalene-2-sulfonate(BNS)で行った。その結果から、1a, bともにそのキャビティー内に取り込まれることが明らかになったが、その包摂能は共同的でなく、平衡定数を算出すると10^3程度であることを明らかにした。以上の結果から次年度新たな擬似ロタキサン構造体が構築可能であると考えられる。
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Research Products
(1 results)