2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14750683
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森内 敏之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (60281119)
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Keywords | アミノ酸誘導体 / ピリジン誘導体 / 不斉パラジウム錯体 / メタロレセプター / ポリアニリン誘導体 / 不斉構造規制 / d,π共役ポリマー錯体 |
Research Abstract |
生体内に見られるような機能的な反応場構築において反応場の機能を考慮した配位子設計が重要であると考えられる。本研究では、生化学と有機化学との境界領域の方法論を展開することにより、本来の機能物質の機能を越えた、または全く別の機能を有する動的分子システムを設計構築することを目的とする。本年度は、生体分子であるアミノ酸誘導体を動的制御が可能な"molecular scaffold"であるピリジン分子に導入し、パラジウム塩との錯形成に基づくパラジウム錯体を設計合成し、メタロレセプター機能を利用した導電性高分子ポリアニリン誘導体の不斉構造規制に取り組んだ。 アミノ酸誘導体として、フェニル基のπスタック効果を期待してフェニルアラニンのメチルエステルに着目した。フェニルアラニンのメチルエステルを2,6-ピリジンジカルボン酸アミドに導入することにより、新規ピリジン誘導体を設計した。設計したピリジン誘導体と酢酸パラジウムとの錯形成により、一つの交換可能な配位サイトを有するパラジム錯体を合成した。得られた不斉パラジウム錯体と導電性高分子ポリアニリン誘導体のモデル分子であるキノンジイミン誘導体との錯形成について検討を行ったところ、パラジウム錯体ユニットがキノンジイミン部位で架橋された2:1共役錯体が得られた。不斉パラジウム錯体の導入により、キノンジイミン誘導体のπ共役系部位の不斉構造規制が可能となりプロペラツイスト構造が誘起されていることがX線結晶構造解析より判明した。また、ポリアニリン誘導体の不斉構造規制も可能であることが判明するとともに、d,π共役ポリマー錯体を与えた。 以上の如く、アミノ酸誘導体を有する不斉パラジウム錯体のメタロレセプター機能を利用した導電性高分子ポリアニリン誘導体の不斉構造規制に関する基礎的知見を得た。
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Research Products
(2 results)