2003 Fiscal Year Annual Research Report
イオン性液体中での触媒的アルキニル化と触媒再利用型マイクロフローシステムの探索
Project/Area Number |
14750686
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
福山 高英 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (60332962)
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Keywords | イオン性液体 / マイクロリアクター / 薗頭カップリング / 低粘性 / Mizoroki-Heck反応 / Pdカルベン錯体 / 回収・再利用 / 触媒循環型マイクロフローシステム |
Research Abstract |
申請者はこれまでに、イオン性液体[bmim]PF_6中での薗頭カップリング反応が銅塩の添加を必要とすることなく進行すること、およびマイクロフロー系でも効率よく反応が進行することを報告している。しかしながら、[bmim]PF_6は特に粘性が高くフロー系での反応には適さず、本研究の最終目的のひとつである触媒再利用型マイクロフローシステムを構築するには、より粘性の低いイオン性液体が必要であることが次第に明らかとなった。そこで、用いるイオン性液体を再び検討したところ、比較的低粘性である[bmim]NTf_2を用いたときに反応が効率よく進行することを見いだした。さらに、この低粘性イオン性液体これに可溶なPdカルベン錯体を用い、40μmのマイクロチャンネルを有するIMM製マイクロミキサーを用いて、フロー系で反応させたところ効率よく反応が進行した。また触媒、イオン性液体は再利用が可能であることを明らかとした。 この低粘性イオン性液体とPdカルベン錯体の組み合わせはMizoroki-Heck反応やSuzuki-Miyauraカップリング、StilleカップリングなどのPd触媒反応に対しても有効であることを見いだした。Mizoroki-Heck反応を100mmのマイクロチャンネルを有するCPC社製のマイクロリアクターシステムを用いてフロー系で反応させたところ、効率よく反応が進行した。Mizoroki-Heck反応をモデル反応とし、申請者が開発したマイクロ抽出システムと組み合わせることで、反応、生成物の抽出、触媒の回収・再利用を連続的におこなう触媒循環型マイクロフローシステムを構築することに成功した。すなわち、本システムを用い、ヨードベンゼンとアクリル酸ブチルとの反応を、11.5時間連続運転したところ115gのカップリング生成物が得られた(収率80%)。Pd触媒は約5回回収再利用された計算となる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Shifang Liu, Takahide Fukuyama, Masaaki Sato, Ilhyong Ryu: "Continuous Microflow Synthesis of Butyl Cinnamate by a Mizoroki-Heck Reaction Using a Low Viscous Ionic Liquid as a Recycling Reaction Medium"Org.Process Res.Dev.. (印刷中).