2002 Fiscal Year Annual Research Report
バイオポリマーの合成機構解明と遺伝子工学的手法を用いた新規機能性高分子の合成
Project/Area Number |
14750688
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田島 健次 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00271643)
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Keywords | 酢酸菌 / Acetobacter xylinum / 微生物セルロース(BC) / エンドグルカナーゼ / βグルコシダーゼ |
Research Abstract |
酢酸菌(Acetobacter xylinum)ATCC23769株のセルロース合成酵素遺伝子、およびATCC53582株のセルロース合成関連遺伝子のクローニング・シーケンシングを行った。両株におけるセルロース合成関連遺伝子の相同性を比較したところ、非常に類似していることがわかった。両菌株についてセルロース合成量を測定したところ53582株では23769株の約5倍の生産性を有していた。^<13>Cラベル化グルコースを用いた解析の結果、両菌株においてモノマー合成系に違いがあることが見いだされた。 既にクローニング済みであるβグルコシダーゼ遺伝子断片を用い、相同性粗換えによってβグルコシダーゼ遺伝子欠損株を作製した。野生株、欠損株を用いてセルロース生産性、また合成されたセルロースの構造における比較を行った。βグルコシダーゼ遺伝子の欠損によってセルロース合成量が約3分の1に低下した。シャトルベクターを用いてβグルコシダーゼ遺伝子の相補を行ったところ、βグルコシダーゼは回復するもののセルロース生産能の回復は見られなかった。両菌株で合成されたセルロースの構造には大きな違いは見られなかった。これらの結果からβグルコシダーゼがセルロース合成に直接関与している可能性が高く、セルロース生産能の回復の為には他の因子が必要であることが示唆された。 セルロース合成酵素遺伝子の上流に存在するエンドグルカナーゼ(CMCax)遺伝子をPCRによってクローニングし、大腸菌を用いてHisタグ融合タンパク質として大量調製を行った。精製タンパクを用いてキャラクタリゼーションを行った。CMCaxの分子量は35.6kDa、至適pHは4.5、最適温度は50℃、5糖以上のセロオリゴ糖を分解可能であり、反転型の水解機構を有していることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Kawano, K.Tajima, H.Kono, T.Erata, M.Munekata, M.Takai: "Effects of endogeneous endo-bata-1,4-glucanase on cellulose biosynthesis in Acetobacter xylinum ATCC23769"Journal of Bioscience and Bioengineering. 94・3. 275-281 (2002)
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[Publications] S.Kawano, K.Tajima, Y.Uemori, H.Yamashita, T.Erata, M.Munekata, M.Takai: "Cloning of cellulose synthesis related genes from Acetobacter xylinum ATCC23769 and ATCC 53582 : Comparison of cellulose sytnetic ability between strains"DNA Research. 9・6. 149-156 (2002)